日本旅行業協会(JATA、田川博己会長)は、2015年度事業の基本骨子を作成した。15年度は「14年度事業実績を踏まえ、さらなる高みに向けた挑戦の年」と位置付け、「業界の健全な発展に向けた政策提言や施策実行」や「4千万人相互交流時代実現に向けた旅行需要喚起・創出、旅行会社の取り扱い拡大」「国内旅行市場の活性化、推進」などに力を入れていく。
業界の健全な発展に向けた施策としては、「海の日」を7月20日に固定する法案の提出によって存続が危ぶまれるハッピーマンデー制度の維持活動を継続して実施する。また、休暇制度改革への提言なども行う。
渡航者数2千万人と訪日旅行者数2千万人の4千万人相互交流時代を実現する施策は、日中・日韓の市場創造、復活を目指す取り組みのほか、海外渡航者2千万人に向けた政策提言を行う。「訪日外国人旅行者2千万人達成に向けた提言書」の提出や13年度から始めた「ツアーオペレーター品質認証制度」の推進にも取り組む。
国内旅行市場の活性化、推進については、「ニッポンを遊びつくせ!キャンペーン」などによる宿泊旅行拡大策や「JATAの道プロジェクト」などの着地型旅行推進策を14年度に展開。それぞれ事業として有効だったと評価し、15年度も引き続き実施する。加えて、国策の「地域創生」に協力していく。
日本観光振興会が主催する国内観光博覧会「旅フェア日本」と、JATAが主催する海外観光博覧会「JATA旅博」を統合し、昨年に初開催された旅の祭典「ツーリズムEXPOジャパン」。16年度までに「ITBベルリン」「WTMロンドン」と並ぶ世界3大ツーリズムイベントとしての地位確立を目標としており、15年度は、同時開催のインバウンド商談会「VISIT JAPANトラベルマート」(主催=観光庁、日本政府観光局<JNTO>)と合わせた国内、海外、訪日の三位一体効果によって、さらに規模の拡大や内容の充実などを図る考えだ。
JATAでは、旅行業の目指す方向として「ツーリズムによる新たな文化・価値の創造、環境保全への努力を通じ、持続的な経済発展と友好・平和な社会の実現に貢献する」を掲げる。この方向性を踏まえ、「価値創造産業への進化」と「新しい需要の喚起」「観光立国の推進」の三つを旅行業の任務、使命としている。