JATA「観光産業共通プラットフォーム」 災害時情報機能、能登半島地震で成果


 日本旅行業協会(JATA)が昨年12月に本格運用を開始した「観光産業共通プラットフォーム」は、宿泊施設と旅行会社との間の業務効率化を目的としており、「災害時情報共有機能」と「施設基本情報機能」「営業情報通達機能」の三つの機能を有する。今年1月1日に能登半島地震が発生。初めて迎えた大型の地震に際して、災害時情報共有機能は「災害時における正確、迅速な情報集約」という目的を果たすことができたのか。当時の状況を探った。

 観光産業共通プラットフォームは、宿泊施設と旅行会社の業務を一元化し、業界全体の生産性を向上させるためにJATAが構築。コロナ禍で顕在化した人手不足などの問題に対処し、将来の成長に資源を集中できる環境を目指すものだ。2月末時点で宿泊事業者5697施設、旅行会社(宿泊団体、自治体・DMOを含む)77社が参画。旅行会社は有料だが、宿泊事業者は無料にしている。

 災害時情報共有機能は、他の2機能に先行して昨年7月20日から稼働。これまで地震や水害などの災害発生時には旅行会社各社が該当エリアの宿泊施設に電話で被害状況や宿泊客の安否に関する確認を行っていたため、混乱する被災地の宿泊施設で電話回線混雑による業務効率の低下を引き起こしていた。プラットフォームのスキームでは、宿泊施設は被害状況の情報などをプラットフォーム内に掲載することで個々の旅行会社に対応を行う必要がなくなる。旅行会社もプラットフォームで被害状況を把握できるため、各宿泊施設に問い合わせをする必要がない。

 能登半島地震は1月1日の16時6分に震度5強、16時10分に震度7の地震が発生。観光産業プラットフォームでは、震度5強以上の地域の宿泊施設に災害情報登録の依頼を発報するのがルールで、そのルールに基づき、該当する石川県内などの204施設へ16時23分に依頼の発報を行った。ただし初期混乱で該当エリア以外の施設も含まれてしまい、実際には254施設に発報した。

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