
日本旅行業協会(JATA)はこのほど、韓国観光公社(KTO)と共同で「韓国絶景30選」を選定したと発表した。アウトバウンド促進協議会(JOTC)・東アジア部会における部会活動の一環として実施されたもの。ソウルへの観光客一極集中の是正と、地方都市における滞在日数増加などを目指し、高付加価値な韓国旅行の実現を目指す。
コロナ禍後、日本人の海外旅行者数が伸び悩む中、韓国は順調に回復を見せているデスティネーションだ。2024年の日本人の韓国への渡航者数は約322万人となり、コロナ前の19年とほぼ同数にまで回復している。しかし、行先都市としてはソウルへの一極集中が課題となっており、地方分散が求められている。
JATAとKTOでは、この課題解決と韓国の地方の魅力発信、滞在日数の増加による高付加価値化を目指し、「韓国絶景30選」を選定。選定にあたっては、あえてソウルを除外し、地方都市にフォーカスを当てた。例えば、江原道襄陽郡の「雪岳山鋳銭谷」は、紅葉の美しさで知られる渓谷で、秋には濃い色の絵の具で描いた絵画ような絶景が楽しめる。京畿道水原市の「水原華城」は、世界文化遺産に登録された城郭都市で、秀でた建築技術を見ることができる。
JATAは、「韓国絶景30選」の選定を皮切りに、さまざまな施策を展開する予定だ。11日からは、旅行会社のプランナーや販売店を対象とした「韓国絶景30選セミナー」を東京・大阪・福岡の3都市で開催。セミナーでは、韓国地方旅プランナー&エッセイストの小暮真琴氏を講師に迎え、絶景の紹介だけでなく、周辺の観光資源やグルメ、モデルコースなども提案される。セミナーの詳細は、JATAが2月に公表している(https://www.jata-net.or.jp/wp/wp-content/uploads/press/8cd89a981194aad26336cecd9e41eec2.pdf)。
4月以降には、東アジア部会韓国ワーキンググループメンバーによる訪韓と今後の取り組みを協議する会議、商品造成のための視察旅行、「韓国絶景30選」パンフレットの制作・配布、「韓国絶景30選」をメインにした内容での商品コンテストの実施など、様々な施策が予定されている。