JATA髙橋会長が新春会見 国内旅行の需要拡大、海外旅行の完全復活へ


髙橋会長

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 日本旅行業協会(JATA)の髙橋広行会長は9日、新春記者会見を東京都千代田区のJATA本部で行った。2025年は、日本人の国内旅行のさらなる需要拡大に向けてラーケーションの普及を業界として進めるほか、インバウンドではオーバーツーリズム対策として地方への送客を推進。回復が鈍い日本人の海外旅行では、コロナ前と同水準を目指す「完全復活」に向けた取り組みとして三つの具体策を発表した。

 髙橋会長は冒頭、2024年の旅行マーケットについて「大きく飛躍した1年」と総括。「インバウンドについては円安の追い風や国際航空便の回復を受けて大きく回復し、全体的にコロナ前の水準まで回復した」と振り返った。

 日本人の国内旅行については、同様にコロナ前の水準に回復した一方で、国内旅行需要が頭打ちの状態になっていることが課題だと指摘。日本人特有の休み方(大型連休に需要が集中する)に着目し、さらなる需要拡大に向けて「学習」と「休暇」を掛け合わせた「ラーケーション」を全国に波及させることを強調。新たな需要拡大や旅行需要の平準化などに向け、業界を挙げて取り組みを推進していくと強調した。

 インバウンドについては、大都市圏などで社会問題となっているオーバーツーリズムについて、地方分散させることが重要と指摘。その具体策としてアドベンチャーツ―リズムを挙げ、地方の新たな魅力を発掘し、2次交通の整備やデジタル化、現地ガイドの育成に向けた支援などに向けて官民一体で取り組むべきとの認識を示した。

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 髙橋会長は、日本人の海外旅行離れについても言及。日本人の海外旅行はコロナ前の7割弱にとどまっていることについて触れ、2025年は引き続きアウトバウンドの活性化に向けた取り組みを推進していくことを強調した。具体的には、①旅行業各社への情報提供による2国間の相互交流の拡大②旅行会社の若手社員に向けた海外旅行販売の教育支援③若年層の海外渡航の促進―の三つに注力すると説明した。

 2国間の相互交流の拡大では、昨年に実施した韓国観光公社との団体旅行販売コンテストや台湾観光庁との合同イベントを紹介。25年も同様に、ヨーロッパやハワイ、オーストラリアとの2国間交流に取り組む方針を発表した。

 旅行会社の若手社員に向けた海外旅行販売の教育支援については、同業務における知識や経験不足を補うための支援を強化すると説明。教育・研修に加え、観光地の最新事情を把握するためのファムツアーを積極的に実施し、販売力強化につなげることを目指すとした。

 若年層の海外渡航の促進については、昨年実施した「Imakoso今こそ海外!キャンペーン」の第2弾を今年も実施すると発表。キャンペーンではパスポートの取得費用の支援などに取り組むとした。

 髙橋会長は日本人の若年層の海外旅行離れについて、「日本の国際競争力の低下を招きかねない深刻な問題と受け止めている。旅行会社ならではの商品を提供することで、今年は何としても海外旅行の完全復活を実現したい」と意欲を示した。

 髙橋会長は、今年開催される大阪・関西万博や「ツーリズムEXPOジャパン2025」についても言及し、これらのイベントを通じてアウトバウンド需要の喚起や経済活性化、国際マーケット拡大がなされることについて期待を示した。

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