日本旅行業協会(JATA)は、会員会社による「持続可能な開発目標」(SDGs)の達成に向けた優れた取り組みを表彰する第1回「JATA SDGsアワード」の各賞を決定し、15日に発表した。大賞は、エイチ・アイ・エスの「旅を通じて、カンボジアの子どもたちに学びの機会と楽しさを届ける」が受賞した。
SDGsアワードは、表彰によって旅行業界でのSDGsの取り組みを推進することが目的。SDGsの取り組み事例を広く周知、共有することで、各会員会社の主体的な取り組みを後押し。各会員会社が実践事例に触れ、将来のあるべき社会や自社の姿を自発的に考える機会とすることで、各社のイノベーションの創出を促進する。
審査委員長を務めたJATA社会貢献委員会の坂元隆委員長(読売旅行会長)は「観光業界は、どちらかと言えばほかの業界と比べSDGsの取り組みが遅れている。SDGsアワードをジャンピングボードにしてSDGsを旅行業界の中で積極的に推進していくのが基本的な趣旨だ」と話す。
賞は「社会・人権」「経済・産業」「地球環境」「共創」の4部門。総応募件数は26社からの75件。大賞は各部門の優秀賞から決定した。
社会・人権部門は、貧困、健康福祉、教育、ジェンダーや機会均等などに関する内容。応募件数は20件。優秀賞は、エイチ・アイ・エス「旅を通じて、カンボジアの子どもたちに学びの機会と楽しさを届ける」(大賞)。特別賞は、日本旅行「『日本旅行ファーム』で育てた野菜を『子ども食堂』に寄贈」。
経済・産業部門は、労働、産業、技術やエネルギー問題などに関する内容。応募件数は23件。優秀賞は、JTBコミュニケーションデザイン「観光業界におけるCO2排出量削減を目指す『CO2ゼロMICE』『CO2ゼロSTAY』」。特別賞は、JR東日本びゅうツーリズム&セールス「みちのく潮風トレイルを活用したトレイル&トレイン推進事業」。
地球環境部門は、海洋資源、森林資源、生物多様性や気候問題などに関する内容。応募件数は10件。優秀賞は、クラブツーリズム「『YAMA LIFE CAMPUS』を通じた登山道整備プロジェクト」。特別賞は、阪急交通社「環境保全型トイレの寄贈」と沖縄ツーリスト「チームけらま、慶良間諸島全島一斉ビーチクリーン」。
共創部門は、協働、連携を軸とした内容。応募件数は22件。優秀賞は、楽天グループ「宿泊施設の取り組みを旅行者にわかりやすく紹介し、サステナブルな旅行を推進」。特別賞は、東武トップツアーズ「下関SDGsプロジェクト」。