NPO法人日中韓観光協力機構(JCKTCO、梁春香理事長=東洋大学教授)は1月29日、2012年定期総会とシンポジウム「震災後の観光振興について」を東京都内のホテルで開いた。
梁理事長は「JCKTCOが発足して1年が経った。本年は日中国交正常化40周年にあたるため、中国からの禅宗視察団の受け入れや、新潟県と吉林省の学生がクルーズ船の中で交流する事業など、日中間交流に特に注力したい」とあいさつした。
シンポジウムでは、小浪博英・帝京平成大学教授、矢嶋敏朗・日本旅行広報室長=写真、櫻井裕子・JCKTCO理事が登壇。
「震災後の復興状況について情報発信をしている観光地サイトが見あたらない。観光客受け入れ側の意識改革が必要」(小浪教授)、「訪日中国人旅行は回復しつつあるが、大手旅行会社の取扱比率は実は小さい。粗悪なツアーが横行しているのが実情で、訪日中国人客が日本に悪い印象を抱いて帰国し、それがクチコミなどで広まってしまうことを危惧している」(矢嶋室長)、「秋保温泉にあるスーパー『主婦の店さいち』の『秋保おはぎ』は観光客にも大人気で、1日1万個を売り上げている。地域経済の活性化に寄与している立派な観光物産であり、東北への誘客素材を考える上で参考になる」(櫻井理事)などの意見が交わされた。