米国金メダリストの訪日動画も
東京オリンピック・パラリンピック(オリパラ)の聖火リレーが3月25日にスタートしたことに合わせ、日本政府観光局(JNTO)は、オリパラを契機とした訪日旅行のプロモーションを本格始動させた。コロナ禍で海外からの一般観客の受け入れ断念が決まり、インバウンド観光の再開が見通せない状況だが、日本に注目が集まる機会を生かし、今後の誘客に向けて地方の観光魅力などをアピールする。動画コンテンツの配信、海外メディアやインフルエンサーを活用した情報発信に注力していく。
JNTOが運営するオリパラ関連の海外向け観光情報の特設サイト「TOKYO AND BEYOND 2020」をはじめ、ウェブサイトやSNSなどのJNTOが展開するメディアで情報発信を強化する。聖火リレーに合わせ、47都道府県の自然景観などを描写した動画も公開している。動画に登場する都道府県の順番は、聖火リレーのルート順で、最初の動画は福島県の五色沼の映像から始まっている。
在留外国人などのインフルエンサーを活用した情報発信では、事前に現地で取材してもらった動画や画像を聖火リレーが現地を通過する日に合わせて各自のSNSに投稿してもらっている。インフルエンサーの取材内容は記事化し、JNTOのウェブサイトなどでも発信していく。
元オリンピック選手を起用して撮影した訪日旅行のプロモーション動画も発信を開始した。陸上男子十種競技の元選手でオリンピックロンドン大会、リオデジャネイロ大会の両方で金メダルを獲得した米国のアシュトン・イートン氏が日本の魅力を案内する内容。動画に加えて記事や観光情報を掲載している。イートン氏が出演する動画は今後、オンライン広告や海外テレビ局のCMとしても放映予定。
海外メディアの招請事業では、コロナ禍の状況によって取材班などの入国、入国後の行動に制約が生じる可能性も想定。大会前、大会中ともに地方を巡る招請ツアーを実施したい考えだが、状況に応じて対応する。聖火リレーなどに合わせた当面の取材は、日本国内に駐在している海外メディアなどに働き掛けている。
オリパラを契機とした情報発信についてJNTOの金子正志理事は3月23日のプレスブリーフィングで、「聖火リレーのスタートに合わせてプロモーションを本格始動させ、地方の観光魅力などを重点的に発信していく。旅行先としての認知を獲得し、大会後の訪問へとつなげたい」と話した。
JNTOが運営するオリパラ関連の特設サイト「TOKYO AND BEYOND 2020」のURLは次の通り。https://www.japan.travel/tokyo-and-beyond-2020/en/
陸上男子十種競技の元選手、五輪金メダリストのイートン氏=米国=が日本を案内する映像を発信(JNTOが運営するサイト「TOKYO AND BEYOND 2020」から)