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貢献賞を受賞した国際会議の関係者らが表彰式で記念撮影(13日、東京国際フォーラムで開かれた国際MICEエキスポ〈IME2025〉で)
「魅力ある地方都市が日本の強み」
日本政府観光局(JNTO)は、2024年度の国際会議誘致・開催貢献賞の受賞会議を発表した。誘致の部で4件、開催の部で5件の計9件の国際会議が貢献賞を受賞。インバウンドの地方誘客が課題となる中、岐阜市、富山市、仙台市、北九州市(福岡県)、郡山市(福島県)など、地方都市を開催地とする国際会議が多く選ばれた。コロナ禍を乗り越えて関係者一体で取り組んだ誘致活動、地域特有のコンテンツを生かしたエクスカーションツアーの実施など、開催都市の強みを生かした取り組みが評価された。
貢献賞は、国際会議の誘致活動や開催、運営に関する優れた取り組みを表彰。08年度に創設され、24年度で17年目を迎えた。今回の対象は23年4月1日~24年3月31日に誘致が決定、または開催された国際会議。日本を含む3カ国以上から参加者数50人以上が要件。
表彰式は13日に東京都千代田区の東京国際フォーラムで開かれた国際MICEエキスポ(IME2025)の中で行われた。JNTOの蒲生篤実理事長は「2024年の訪日外国人旅行者数が3600万人を突破して過去最多となるなど、インバウンドは好調だ。国際会議も2023年に開催された件数(ICCA統計)において、日本は前年の12位から大きく順位を上げ、世界7位となり、2030年までに世界5位以内という政府の目標に着実に近づいてきている」と述べた。
また、23年のアジア太平洋地域の都市別開催件数では、日本国内から15都市が70位以内にランクインした。蒲生理事長は「国際会議を開催できるインフラと魅力を備えた地方都市が数多くあるという日本の強みをよく表している。今回の貢献賞を受賞した国際会議も、岐阜市、仙台市、郡山市、富山市、北九州市など全国のさまざまな都市が開催都市となっている」と強調した。
■誘致の部
誘致の部では、富山市で26年9月に開催予定の「2026年電磁界理論の先進的応用に関する国際会議及びIEEE―APS無線通信におけるアンテナ・伝搬に関する会議」が受賞した。パレルモ(イタリア)との競合に勝ち、アジア初の誘致成功を地方都市で実現した。誘致活動には、行政が積極的に参加し、コンベンションビューローと連携しながらオール富山として取り組んだ。
表彰式でICEAA―IEEE APWC2026首席大会委員長・実行委員会委員長の小林一哉氏は「ロビー活動はかなり大変だったが、最終的には日本初かつアジア初ということが誘致決定に結びついた。開催が成功するよう今後努力していきたい」と述べた。
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