JR東日本とJR西日本は9月24日、MaaSの取り組みを進めるに当たり、相互に連携することを合意した。JR東日本の運行情報などが確認できる「JR東日本アプリ」とJR西日本の新MaaSアプリ「WESTER」の連携をはじめとして、MaaSの取り組みを進める。相乗効果で付加価値の高いサービスを提供するとともに、日本のMaaS連携推進で貢献する。
連携では、JR東日本アプリで実証事件を行っている列車の遅れを加味した経路検索ができる「リアルタイム経路検索」を、2020年度内をめどにJR西日本の一部線区でも利用できるようにする。また、WESTERでも検索可能となるように検討を進める。
JR東日本は、2018年7月に発表したグループ経営ビジョン「変革2027」で、検索、手配、決済の三つの機能をオールインワンで提供する「モビリティ・リンゲージ・プラットフォーム(MLP)」の構築を掲げ、MPLの構築やさまざまな実証実験に取り組んでいる。列車の運行情報や混雑情報なども提供するJR東日本アプリ、タクシーやシェアサイクルのシームレスな利用を目指す「Ringo Passアプリ」のほか、観光型MaaSでは伊豆、新潟、仙台、群馬、仙台・宮城で機能の充実を図りながら断続的に実証実験を展開している。
JR西日本は、西日本エリアの交流人口、関係人口の増加を目指す中で、デジタル技術を活用してMaaSを重要な経営課題と捉え、さまざまな取り組みを進めている。観光型では19年10月からせとうちエリアで「setowa」の実証実験を展開。地方型では20年4月から島根県邑南町と地域公共交通のデジタル化に向けた配車システムの実証実験を展開している。また、関西の鉄道事業者7社で組織された「関西MaaS検討会」に属し、大阪・関西万博に向け「関西地域におけるMaaSのあるべき将来像」「関西鉄道事業者間の連携を前提としたMaaSシステムの構築」などを共同で検討している。
「両者が提供するMaaSの相互告知、リンクなども進めていく」と関係者。