JR西日本は2016年春に、京都の梅小路エリアに梅小路蒸気機関車館と一体となった新たな鉄道博物館を開設する=写真は展示のイメージパース。梅小路エリアには12年3月にオープンした京都水族館があり、既存の梅小路蒸気機関車館の入館者も5割程度増加するなど人気の観光エリアとなっている。
新鉄道博物館のコンセプトは「地域と歩む鉄道文化拠点」。「みる、触る、体験する」を重視した展示構成で、SLから新幹線まで、貴重な車両を日本最大級の収蔵車両数となる50両を展示。SL23両を1カ所に収蔵しているのは国内で梅小路だけとなる。動態保存しているSL「スチーム号」は体験乗車ができる。
JRの営業路線が隣接していることを生かし、梅小路の構内留置線を博物館内に引き込む計画もあり、実際に営業している車両を引き込んで展示することも検討されている。
引き込み線から入った館内は、車両工場をイメージしたデザイン。屋根上点検通路を設け、普段見る事のできない車両の屋根上を間近に観察することや、電気機関車を持ち上げて展示し、機関車の下部構造を見学できる。また、新幹線タイプ、在来線タイプの運転シミュレーターの設置や、ジオラマで鉄道模型運転を実施する。
事業費は約70億円。現時点で既存の梅小路蒸気機関車館と交通科学博物館(大阪市)を合わせ来館者は年間60万人。新たな鉄道博物館開業後は合計で年間80万人の来館を目指す。