JRシステムは8月26日、宮崎県高千穂町、高千穂町旅館業組合と町の観光振興事業の実施に関する包括連携協定を締結した。互いの資源や知識、魅力を生かし、相互に連携、協力して、同町の観光振興、地域振興、地方創生の推進に寄与するのが目的。今後、観光DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進に向けた取り組みを行っていく。
同社が自治体と包括連携協定を結ぶのは初めて。具体的には、(1)高千穂町旅館業組合の公式ホームページを新たに構築し、組合所属の宿泊施設がサイト限定の宿泊プランをオンライン販売できるようにする(2)高千穂町の観光統計業務において手作業で収集している宿泊データを自動的に収集し、また、データをリアルタイムに分析することで、観光地域づくりの新たな戦略策定などに活用する(3)これらを実現するために組合所属の宿泊施設が利用するサイトコントローラーをJRシステム提供の「らく通with」に統一し、高千穂町のDX推進に貢献する―。
らく通withは、JRの「みどりの窓口」の端末で培った技術、ノウハウを活用した、旅館・ホテル向けのサイトコントローラー。旅行会社、予約サイトの予約情報や在庫・料金調整を一元管理するとともに、フロント会計システムとのデータ連動が可能なため、予約業務全体の大幅な効率化を実現できる。現在、大規模ホテルチェーンから老舗温泉旅館まで全国約2千施設に導入されている。
町役場で行われた締結式には、JRシステムの太田道隆取締役第一営業企画部長、高千穂町の甲斐宗之町長、旅館業組合の佐藤雄二郎組合長らが出席した。
甲斐町長は「今回の取り組みや観光旅行者に対するアンケート調査によるデータなどを組み合わせて分析し、高千穂町の宿泊や観光に関する課題の洗い出しや、新たな戦略策定につなげる。JRシステムのご協力により高千穂町旅館業組合とともに高千穂町の観光振興を一層図っていきたい」と協定の意図を語った。
太田取締役は「らく通withを活用することで、観光DX推進と高千穂町旅館業組合の販売強化が図れる。高千穂町、高千穂町旅館業組合と一体となり、高千穂町を盛り上げていきたい」と述べた。
町全体でサイトコントローラーを統一し、一体となって観光振興に取り組む事例は全国的にも珍しい。JRシステムはこれを機に、これまで培った技術、知識、信頼を生かし、日本全国の地方創生に協力していく。
協定書に調印した関係者