JR東日本は3日、列車の運行情報を電話で問い合わせできる「どこトレダイヤル」で、電話自動音声アシスタントに生成AIを活用する実証実験を開始した。茨城県・福島県エリアの3路線(常磐線、水戸線、水郡線の一部区間で来年2月14日までを予定。音声認識機能のさらなる向上を目指す。
「どこトレダイヤル」は、スマートフォンアプリなどの操作が苦手な人でも気軽に利用可能な列車運行情報の電話自動案内サービス。ガイダンスに従って利用路線や駅を音声で入力することで、詳細な運行情報や列車の遅れ、位置情報などが確認できる。案内する内容は、同社が提供する運行情報サービス「どこトレ(https://doko-train.jp/)」の情報に基づいており、サービス利用時の通話料は利用者負担となっている。
同サービスは、昨年10月に発足した同社グループの「Digital&Dataイノベーションセンター(DICe)」が開発、実証実験を実施してきた。従来の「どこトレダイヤル」で使用していた音声認識機能では、つなぎ言葉や想定外の回答、単語形式以外の音声や雑音の影響などにより、利用者の音声を正しく認識できないことが課題となっていた。
今回の実証実験では、音声入力内容の解釈に生成AIを活用。つなぎ言葉が入力された場合も必要情報の抽出が可能になるほか、曖昧な肯定表現などのニュアンスも認識できるようになり、音声認識精度の改善による顧客満足度向上を目指す。
実証実験は来年2月14日までの約5カ月間で実施する。対象路線は、常磐線(友部―新地)、水戸線(小田林―友部)、水郡線(水戸―磐城守山)の3路線。実験の状況により、対象路線や区間、実施期間の変更も発生する場合があるとしている。
「どこトレダイヤル」TEL050(3355)6421)。