JR東海と奈良県は12日、同県の観光振興に関わる連携と協力に関する協定を結んだ。JR東海が都道府県との協定を結ぶのは初めて。奈良市内で同社が整備を予定するハイアット系のラグジュアリーホテルなどを生かした宿泊促進や同県全域への周遊観光の拡大などに協力して取り組む考えだ。
世界遺産や国宝などの歴史文化遺産や史跡群、雄大な自然などの観光魅力を持つ上、大阪・関西万博をはじめ今後数年スポットが当たる奈良県だが、日帰り観光客が多く消費単価が少ないことや奈良公園周辺への観光客の集中などの課題を抱える。これらを背景に、両者が「豊かで活力ある奈良県」を目指す上で、連携・協力できる事項があるとして、協定の締結が決まった。
協定では連携・協力事項として、(1)奈良県の観光地としての魅力拡大とその情報発信に関すること(2)奈良県内での宿泊促進および宿泊施設整備に関すること(3)奈良県内各地への観光促進およびそのための県内公共交通機関の支援に関すること(4)その他、奈良県の観光振興に資する事項―の4項目を決めた。
このうち(1)については、JR東海が展開する観光キャンペーン「いざいざ奈良」を通じて、主に首都圏などで情報発信を行うほか、東海道新幹線の顧客基盤を生かした同県への送客促進などを行う。
(2)については、JR東海が建設予定のラグジュアリーホテルにおいて、県産材や県産品、伝統工芸品などの利用促進に取り組む。
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