JTBは「冬の東北」の販売を強化する。08年度下期(08年10月〜09年3月)の国内旅行活性化キャンペーン「日本の旬」で対象地域にし、祭りや味覚など季節の魅力を訴えていく。二次交通網を整備し、現地移動の利便性も高める。東北の宿泊増売について東北新幹線延伸予定の10年度まで中期的に取り組む方針で、それにはオフ期である冬季の底上げが欠かせないと判断した。
仙台七夕まつり、青森ねぶた、秋田竿灯祭といった夏祭りが知られる東北だが、2月に開かれる横手市の「かまくら雪まつり」、男鹿市の「なまはげ柴灯まつり」など「冬の祭りも見ごたえがあると訴求したい」(大澤幸博・JTB東日本国内商品事業部仕入課長)。食では、きりたんぽ鍋、あんこう、アワビなど旬の郷土料理、魚介を提案する。
日本の旬キャンペーンは、JTBと地域の行政、観光事業者が連携して観光インフラを整備するのが大きな特徴。雪景色も売り物である冬の東北では特に、各観光地を効率的に見て周れるようシャトル・周遊バスや貸切タクシーなど二時交通の確保に力を入れる。バスコースは、松島の瑞巌寺、平泉の中尊寺と毛越寺、山寺立石寺を巡る「四寺廻廊コース」を含めて新規に7コースを設定し、既存と合わせて計13コースに拡充する予定。
こうして構築した観光インフラはキャンペーン終了後も存続させたい考えだ。「そうすることが、お客さまのため、地域観光の活性化のためになる」(大澤課長)。
販売目標は、宿泊販売額で07年度同期見込み比6%前後とする。
個人、団体すべての宿泊を増売する08年度の日本の旬に向けて、個人向け国内企画商品「エースJTB」の07年度下期キャンペーンでも冬の東北を対象に展開中。07年度に「JR北東北キャンペーン(DC)」、08年度に平泉の世界遺産登録と「JR仙台・宮城DC」、10年度には東北新幹線延伸と新青森駅開業という観光需要を促進する計画、予定がある。これらを背景にJTBでは、10年度まで継続的に東北の活性化事業に取り組む。