JTBが5月29日に発表した08年度グループ連結決算は、売上高が前期比3.8%減の1兆2760億5600万円だった。中核の旅行事業が世界的な経済環境の悪化の影響を受け前年を割り込み、特に海外旅行が燃油サーチャージの高騰もあって振るわなかった。営業利益は19.7%減の119億700万円で、円高による為替差損、有価証券の評価損などで経常利益は71.8%減の63億4千万円だった。
税効果会計処理後の税金費用を計上した結果、当期純利益は134億7900万円減の23億5500万円の損失に転じた。連結対象会社数は持分法適用会社19社を合わせて200社(対前年24社増)。3月末の従業員数は4.9%増の2万8352人。
旅行事業の売上高は、前期比4.2%減の1兆1706億300万円と低調だった。うち国内旅行は0.8%減の5997億6200万円。ガソリン価格高騰の影響を受けながらもほぼ堅調に推移した上半期だったが、下半期に景気悪化により個人消費、企業需要が伸び悩んだことで前年を割り込んだ。
海外旅行は8.4%減の4928億6600万円で、燃油サーチャージの急騰、景気悪化などが大きく響いた。訪日旅行部門は、円高によってFITを中心とする訪日外国人客数が減少し6.1%減となった(額は未発表)。