JTBの09年度(09年4月〜10年3月)の宿泊販売額は、前年度対比8.3%減の3348億円となる見込み。世界的な景気の悪化やインフルエンザ流行の影響もあったが、インターネットへのシフトが急速に進んだマーケットに対応できなかったことが主因。前年度と同額の3750億円の目標を掲げていたが、2年連続で達しなかった。10年度は目標値を下げ、前年度見込み対比4.5%増の3500億円に設定した。
見込額は1月累計の確定値に2、3月の推定値を加えたもの。企画商品「エース」は6.4%減の1650億円。秋の連休があった9月以外はすべて前年割れで、「マーケットとずれはじめた」(JTB)。インターネット販売は、高い伸びを見込んでいたが0.4%増の528億円にとどまった。インバウンドも景気低迷と円高による訪日外国人旅行者数の減少によって18.6%減の105億円と大きく落ちこんだ。
宿泊販売実績額は00年以降、順調に積み上げてきたが、初めて前年割れとなった。3500億円の10年度目標は、06年度実績の3535億円をも下回る数字。マーケット変化に対応できる体制の確立は11年度の見込み。