JTBは、創立100周年を迎えた12日、記念式典を東京都千代田区の東京国際フォーラムで開催した。行政、観光関連団体、運輸機関、宿泊施設、観光施設などの招待者にJTB関係者を加え約1200人が参加するなか、田川博己社長は「交流文化事業が社会に貢献する世紀」を今後築き上げる、JTBグループの未来ビジョンを発表した。
新たな世紀は「交流を創造し、促進するJTBグループが世界中の人々から必要とされ、永続している世紀」と田川社長。「理想の世紀を築く一歩一歩がJTBグループの成長そのものであり、同時にツーリズム産業の新しいカタチを発展させ、社会貢献につながる。交流文化事業の中で継続的に仕掛けを行い、新しく大きな市場を作り出す努力をレベルアップする」と力強く語った。
来賓として室井邦彦・国土交通大臣政務官、株主代表の清野智・東日本旅客鉄道社長、事業パートナー代表の福田朋英・JTB協定旅館ホテル連盟会長があいさつ。清野社長は「JTB抜きではこの国の観光産業を語ることはできない」と称賛、福田会長は「JTBと手を携えて、地域の魅力づくり、日本の観光振興に努力していく」と一層の連携を約束した。
その後のレセプションでは、全国旅行業協会の二階俊博会長(衆議院議員)が登壇し、「日本国中に号令をかけて東北復興のために国民がみんな立ち上がっていくリーダーシップをとってほしい」と要望。日本観光振興協会の西田厚聰会長は「日本経済の成長のためには観光イノベーションの創出による観光立国の実現、観光産業の発展が重要」と述べ、その実現に向けたJTBの取り組みに期待した。
観光庁の溝畑宏長官が乾杯の音頭をとった。
この日は東日本大震災1周年追悼式の翌日にあたることから、2氏を招いて東北観光の現状を知り、復興を応援するプログラムも実施。東北観光推進機構の高橋宏明会長は、被害の様子、人々の生き方、防災対策などを被災地で学ぶ「復興ツーリズム」などの取り組みを紹介し、河北新報社の一力雅彦社長は「大切なことはあの日を“忘れない”仕組みを作ること。震災の経験と教訓を今後に生かすことが本当に必要だ」と訴えた。
1200人が集まった記念式典