
フォーラムで情報共有
地域の特色を生かした農泊の活性化について考える「農泊みらい交流フォーラム」が7日、東京都内で開かれた。主催はJTBパブリッシング。農泊に関する先進事例として、島の暮らしに触れるガイドツアーが人気の家島諸島(兵庫県)、地域資源の「薬草」を軸にコンテンツを展開する宇陀市(奈良県)、廃校を農泊施設に活用する八ヶ岳南麓(山梨県)の3地域が取り組みを発表。農泊を通じた地域活性化への思いなどを語った。
◆家島
家島諸島は、瀬戸内海の播磨灘に浮かぶ44の島から構成される。人が住むのは4島で人口は合計4500人。姫路港から高速フェリーで約30分のアクセス。漁家民宿・民泊、旅館などに滞在し、漁業や地域の暮らしを生かしたプログラムを体験できる。
特徴的なプログラムは、海運業が盛んな家島の真浦地区をガイドの解説のもとで散策する「家島の真浦港周辺をおさんぽするガイドツアー」や、底引き網漁の体験と取れたての魚介のバーベキューを楽しむ「家島底引き網体験de島ごはん」など。滞在に関しては、空き家をリノベーションした一棟貸しの宿泊施設「家島ハレテラス」「家島ヨカテラス」もある。
家島諸島都市農山漁村交流推進協議会、いえしまコンシェルジュの中西和也氏は「何か特別な体験というよりは、私たちのようなコーディネーターが間に入ることで、島の暮らしの中に溶け込めることをもっと推していきたい」と話した。
インバウンドの集客拡大を狙うが、認知度の向上が課題だ。姫路城といった人気観光地からのアクセスが良い立地をアピールするなど、情報発信を強化する。外国人移住者の力も借りながら受け入れ態勢を整備し、誘客を増やしたい考えだ。
家島諸島都市農山漁村交流推進協議会、いえしまコンシェルジュの中西和也氏(写真左)、麻田景太氏
◆宇陀
奈良県東部の高原に位置する宇陀では、漢方の生薬として用いられてきた大和当帰に代表される「薬草」を軸に、コンテンツづくりを推進してきた。里山の恵みを生かした滞在、食事で心身を癒やすウェルネスをテーマに「薬草リトリート体験」を提供する。
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