JTBは、4月25日に開催した取締役会で、田川博己社長に代わる新社長に髙橋広行常務を内定した、と発表した。田川社長は代表取締役会長に、佐々木隆・代表取締役会長は相談役にそれぞれ就任する。正式には6月30日開催の定時株主総会と取締役会で決定される予定。
田川社長体制3期6年で、経営計画の初期目標を達成したこと、中長期視点での投資によって将来に向けた基盤構築を着実に進めたこと、交流文化事業の完成に向けて一定の成果を得たことなどを機に、経営陣の若返りを図ることにした。
同日の記者発表で田川社長は、髙橋常務を「JTBが今進めている交流文化事業やデスティネーションマネージメントカンパニー(DMC)を十分に理解している」と評価。「2020年までに交流文化事業を完成させるには相当な馬力が必要だ」と語り、手腕に期待をかけた。
髙橋常務は「営業部門と管理部門、あるいは現場と本社、地方と東京と幅広く経験を積んできたことが私の財産であり、持ち味だ。こうした経験を生かして今後、経営にあたっていきたい」と抱負を述べた。さらに「2020年ビジョンの実現に向けた道筋を確固たるものにすることが私の使命だ」と強調した。2020年ビジョンは、JTBグループの2020年にあるべき姿を示したもので、アジア市場での圧倒的ナンバーワンポジションを確立し、取扱高2兆円を目指している。
髙橋広行(たかはし・ひろゆき)氏 1957年2月15日生まれ。57歳。79年に関西学院大学法学部を卒業し、日本交通公社(現JTB)に入社。西日本エース事業部長、高松支店長、JTB中国四国常務取締役広島支店長、JTB取締役旅行マーケティング戦略部長、取締役旅行事業本部長などを歴任。現在は常務取締役兼執行役員、JTB西日本社長。
田川社長からバトンを渡された髙橋常務(左)