KNT—CTホールディングスは15日、2013年度から3年間の中期経営計画を発表した。旧近畿日本ツーリストとクラブツーリズムの統合により、クラツーのノウハウと近ツーブランドを相乗効果で生かすことなどで、初年度4650億円を見込む売上高を、最終年の2015年度には4850億円に引き上げる。
重点施策として「営業シナジー効果の最大化」「コスト圧縮」「人材活用」「グローバル事業」「経営戦略機能強化」の5項目を掲げている。
このうち、シナジー効果は、クラツーのマーケティングや商品企画のノウハウを生かし、個人旅行事業の営業力を強化するとともに、近ツーブランドを活用してクラツーの主要顧客層であるシニア層を獲得することで生み出す。
コスト削減は、統合により業務フロー、基幹システムを共通化し、20億円程度の合理化効果を図る。
グローバル事業では、未進出地で成長余力の大きいインドとインドネシアへの拠点開設を目指し、アジアを中心にアウトバウンド事業を強化する。さらに近ツーの海外現地法人とクラツーの連携を進めていく方針。
主要事業別でみると、新・近畿日本ツーリストが中核となる団体旅行事業では、MICE事業、マーケティング機能の強化、スポーツコンテンツによる地域誘客の活性化を図る。
近畿日本ツーリスト個人旅行が中核となる個人旅行事業では、企画部門の同社と店頭販売部門の近畿日本ツーリスト個人旅行販売の一体運営、テーマ型旅行商品の強化と専門店開設などを行う。
クラツーが中核となるメディア旅行事業では、シニア世代に絞った顧客戦略の推進、企画商品の他社との差別化の徹底を実施することなどを盛り込んだ。
戸川和良社長は統合1カ月半を振り返り「再出発の段階で皆の気持ちが前向きになっている。新たな体制で計画達成のため頑張ろうとしている」とスタートダッシュが切れたことを強調した。