近畿日本ツーリスト(KNT)は、日本赤十字社が東日本大震災で被災した東北3県の小中学生約3600人を対象に実施する「サマーキャンプ2012inクロスヴィレッジ」の旅行業務を受託した。同社は添乗のほか、現地でのボランティア活動も行う。約1カ月の間に3千人を超える子供を送る大規模プロジェクトとなるだけに、万全の体制で臨む構えだ。
サマーキャンプは日赤の教育支援事業の一環。日赤は「震災による影響で、教育や生活環境の変化に伴う精神的ストレスを受けている被災地の子供たちに、日常を離れ、自然の中で多くの仲間と共に思い切り身体を動かし、楽しく伸びやかに過ごしてもらうのが狙い」(企画広報室)という。
対象は岩手、宮城、福島に住む小学校5、6年生と中学1〜3年生で、3615人が参加する。7月21日から8月23日までの期間、3泊4日の日程で計11回開催し、1開催当たりの人数は約330人となる。このほか、ボランティアを含む運営スタッフとして約1千人が参加する。会場は北海道留寿都村(ルスツリゾート)で、宿泊施設はルスツリゾートホテル。
費用は世界各国の赤十字社を通じて寄せられた海外救援金から充当し、その額は約4億6千万円に上る。
現地では1グループを14〜15人単位とし、22グループに分ける。これを2つのユニット(1ユニット1〜11グループ)にし、スタディープログラムやアクティビティープログラムなどをこなすことによって、自分や周りの人を助ける方法、チームワークの大切さ、体験で得る達成感などを学んでもらう。
スタディープログラムでは三角巾を使用した止血法や心肺蘇生とAEDの使い方を学ぶ。
旅行にかかわる業務については4社による競争入札の結果、KNTが受注した。「この旅行の取り扱いを通じて、日赤の震災教育支援事業をサポートしていきたい」と話している。
キャンプの狙いを説明する日赤関係者