近畿日本ツーリスト(KNT)は9日、2012年度以降の事業構造改革の基本方針を発表した。今年9月に東北、中国四国に連結子会社を作るなどして地方部の旅行事業を移管。KNTは東京、名古屋、大阪地区の旅行事業に集中する。各子会社に地域の実情に合わせた営業を展開させるのと併せ、来年1月からは団体旅行事業、個人旅行事業の2事業部門制への組織再編も行い、安定した収益基盤の確立と強化を目指す。
東北地方、中国四国地方の旅行事業を担う新会社として近畿日本ツーリスト東北(KNT東北)、近畿日本ツーリスト中国四国(KNT中国四国)、商事事業を引き受ける新会社として近畿日本ツーリスト商事(KNT商事)を設立する。9月1日設立予定で、資本金は1億円。
いずれもKNTを分割会社とし、各地域会社、商事会社を継承会社とする分社型吸収分割方式をとる。KNTツーリストが事業を展開してきた店頭販売部門も、各地域旅行会社に移管する。併せて地域の団体旅行事業を担ってきたKNT北海道、KNT九州についても、新たに個人旅行事業を移管する。
本社部門の組織再編については、ECC事業本部カンパニーなど3事業本部に分かれている団体旅行事業部門を1つに統合し、情報共有などによる営業力の強化を図る。
併せて個人旅行事業部門に提携販売部門を統合。ウェブ販売の拡大や1日から稼働を開始した同社の新販売基幹システムを活用した効率性の追求と利益拡大を目指す。
組織改革による中期経営計画の財務目標は、東日本大震災の影響なども含め見直しを行い、確定次第、発表する予定。