営利は121%増の34億円
KNT―CTホールディングス(HD)は12日、2020年3月期の中間期(19年4月1日~9月30日)決算短信を発表した。連結業績は売上高が前年同期比3.6%増の2150億6900万円、営業利益が同120.9%増の33億7300万円、経常利益が同98.4%増の33億9500万円、半期純利益は同24.4%増の20億5500万円となった。自然災害の影響を受けた前期に比べ、ゴールデンウイーク10連休での個人旅行の取り扱いが国内外とも好調に推移するなどし、増収増益となった。
同期は、国内旅行では、7月から東京2020オリンピック公式観戦ツアーの販売を開始するほか、オリンピック・パラリンピックの建設風景を見学するツアーなど機運に応えるツアーを実施。また、女性に人気のオンラインゲーム「刀剣乱舞―ONLINE―」とコラボした福岡市博物館「侍~もののふの美の系譜~」特別展ツアーや世界文化遺産に登録された百舌鳥・古市古墳群をセスナ機で眺望するツアーなど、新たな需要を掘り起こす話題性のあるツアーを催行した。
海外旅行では、主にシニア女性を対象とした大人のプチ留学体験ツアーや添乗員付きのツアーでは初めてとなるオーストラリアの地底都市「クーバーピディー」を訪ねるツアーなど、独自性、テーマ性に富んだツアーを数多く実施した。
団体旅行では、法人、団体への提案営業に注力し、招待旅行やスポーツ大会などの運営受注に努めるほか、教育旅行事業では9月から、スマートフォンやパソコンを通じて修学旅行などの事前準備から旅行中の危機管理、旅行後の学習に至るまで包括的にサポートするシステム「旅ともプラス」の稼働を開始した。
売上原価は、同2.2%増の1754億1300万円、売上総利益は同10.5%増の396億5600万円、販管費は同5.6%増の362億8200万円。
同日に開催された決算発表会見で中村哲夫常務取締役は今後について「下期は台風15、19号の影響で、売上高は30億円、利益は7億円を損失した。10月は厳しいが、年末年始は9連休も奏功し、回復傾向にある。令和絡みやアニメツアー、ふっこう割などを生かし、下期は当初の計画並みにする」と述べた。ウェブ事業の進展については、取り扱いのシェアが33%まで伸び「ウェブシフトは順調」と強調した。ダイナミックプライシングへの対応は、来年上期に行う旨を発表した。外国人旅行の取り扱いは全体の10%未満だが、クラブツーリズムの商品が好調など、上昇傾向にあると話した。また、旅ともプラスへの期待については「営業中の学校が約140あり、そのうち学校30校で実施する(一部実施済み)など、他社との差別化を図るコンテンツだ」と自信をのぞかせた。
0年3月期の連結業績は、売上高が4225億円(前期比2.6%増)、営業利益が35億円(同38.2%増)、経常利益が36億円(同27%増)、当期純利益が20億円(同56.4%増)と予測している。上期業績の好調に伴い、10月23日に上方修正している。
発表する中村常務取締役