KNT-CTホールディングス、ベースアップやシステム構築に積極投資で増収減益 今年度第2四半期決算


 KNT-CTホールディングス(HD)が12日に発表した今年度第2四半期決算(4月1日~9月30日)の連結純損益は、25億2200万円の黒字(前年同期は27億5700万円の黒字)となった。国内・海外・訪日旅行が回復したことで増収となったものの、前年までの受託事業による特需が消失したことに加え、ベースアップなどによる人件費増加、システム構築への投資、その他研修費や宣伝費増加などで約10億円の経費を計上。前年同期から2億3500万円の減益となった。

 売上高は、前年同期比8.0%増の1344億2200万円、営業利益は同32.3%減の22億3700万円、経常利益は同26.0%減の25億8600万円だった。

 新型コロナウイルス感染症の収束で高まった旅行需要に落ち着きが見られるようになった国内旅行では、ダイナミック・パッケージ商品の販売に注力。東京や北陸、伊勢志摩エリアを中心に個人客を送客したほか、クラブツーリズム商品では北海道方面や夏の祭事商品の販売に注力した。団体旅行も夏の各種スポーツ大会など学生団体の需要獲得に努めた。

 海外旅行では、不安定な国際情勢、円安などによる旅行代金の高騰や旅行先での物価上昇が影響しているものの、クラブツーリズムの添乗員付き商品ではスイスやイタリア観光、クロアチアやスペイン、フランスへの登山などヨーロッパ方面が好調に推移。団体旅行では、近畿日本ツーリストで国際スポーツ大会観戦や夏季休暇中の語学研修、国際交流などの取り扱いを行った。

 訪日旅行では、個人旅行者向けオンラインサイト「YOKOSO JAPAN TOUR」(https://www.club-t.com/)を9月11日に公開。台湾・香港の旅行者向けを中心としたプロモーションに注力しており、今後は東南アジアや欧米豪の訪日旅行者拡大に取り組むとしている。

 このほか、近畿日本ツーリストでは日本旅行業協会(JATA)が主催する「ツアーグランプリ2024」で、二つのツアーが優秀賞と審査員特別賞を受賞。クラブツーリズムでは、社会貢献の取組みとして旅行代金の一部をがん治療研究の寄付につなげるツアーが「第2回 JATA SDGsアワード」で「奨励賞」を受賞した。

 これらにより、同社の純損益は四半期ベースで21年第3四半期以降12期連続の黒字となった。「店舗数縮小や事務所移転による賃借料の削減などのさまざまな事業構造改革も実施しており、季節変動の多い旅行業においても安定的・構造的に利益を創出できる状況になっている」と同社。

 通期決算の予想については、年末年始が9連休になることで前年の倍近くの予約がすでに入っていることや、YOKOSO JAPAN TOURの開設でさらに訪日旅行需要を見込めることから、今年5月9日に公表した数値から変更はせず、売上高を2850億円とし、営業利益、経常利益、純利益はともに75億円とした。

 
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