KNT-CTホールディングス、売上増も人的投資増で黒字幅が減少 今年度第3四半期決算


 KNT-CTホールディングス(HD)が13日に発表した今年度第3四半期決算(4月1日~12月31日)の連結純損益は、55億5千万円の黒字(前年同期は58億6千万円の黒字)となった。海外旅行を中心に取り扱いを伸ばしたものの、給与のベースアップ等の人的資本への投資や大幅な公務受託事業の取り扱い減少により、前年同期から3億1千万円の減益となった。

 売上高は、前年同期比8.3%増の2145億7千万円、営業利益は同17.0%減の53億5900万円、経常利益は同14.4%減の58億5200万円だった。

■国内旅行
 国内個人旅行では、ダイナミック・パッケージ商品の販売に注力。大型イベントが開催された北海道や信越のスキー商品、年末の伊勢志摩が人気となった。クラブツーリズムの添乗員同行ツアーでは、国内各地の紅葉観賞商品や日並びの良い年末年始の休暇を利用した商品の販売に注力。12月には、飛鳥Ⅱ 神戸発~横浜着2泊3日のチャータークルーズを運航し、船内のクリスマスイベントやディナーなどの特別な演出が好評を博した。

 国内団体旅行では、近畿日本ツーリストは声優のファンクラブツアーなどの趣味・目的ツアーや企業コンベンション、職場旅行の需要獲得を図った。

■海外旅行
 海外個人旅行は、クラブツーリズムの添乗員同行ツアーで、スペイン・ポルトガルを中心としたヨーロッパ方面やエジプト、紅葉のカナダへの旅行が好評を博した。海外団体旅行では、企業の報奨旅行や視察研修旅行、修学旅行の取り扱いを行った。

■訪日旅行

 訪日旅行では、個人旅行者向けオンラインサイトでの販売が好調に推移。昨年9月にクラブツーリズムが開設した、個人旅行者向けオンライングローバルサイト「YOKOSO JAPAN TOUR」は、特に香港・台湾の旅行客を中心に、 紅葉観賞の日帰りバスツアーなどが好評だった。近畿日本ツーリストも、スポーツの国際大会や国際マラソン大会などの取り扱いが好調に推移した。

 このほか、クラブツーリズムでは、テレビ東京ダイレクトとの協業により、今行くべき旅や楽しみ方を案内する新番組『教えて!ツアーの達人』を今年1月6日から開始。クラブツーリズム、近畿日本ツーリストでは、「大阪・関西万博」の入場チケット付きツアーおよび宿泊プランの販売を開始した。今年7月25日に開業が予定されている沖縄北部のテーマパーク「JUNGLIA OKINAWA(ジャングリア沖縄)」の取り扱いに向けた準備も進行している。

 これらにより、海外旅行を中心に取り扱いが増加し、同社の連結売上高は2145億7千万円と前年同期比8.3%増加した。一方で、事業構造改革によるコスト削減に努めているものの、給与のベースアップ等の人的資本への投資や大幅な公務受託事業の取り扱い減少により、連結営業利益、連結経常利益、連結純利益はいずれも前年同期を下回った。コロナ前の2019年度第3四半期との比較では、事業構造改革の効果により、営業利益は23億2700万円の増益となった。

 通期決算の予想については、昨年5月9日に公表した数値から変更はせず、引き続き売上高を2850億円とし、営業利益、経常利益、純利益はともに75億円とした。

 
新聞ご購読のお申し込み

注目のコンテンツ

第38回「にっぽんの温泉100選」発表!(2024年12月16日号発表)

  • 1位草津、2位道後、3位下呂

2024年度「5つ星の宿」発表!(2024年12月16日号発表)

  • 最新の「人気温泉旅館ホテル250選」「5つ星の宿」「5つ星の宿プラチナ」は?

第38回にっぽんの温泉100選「投票理由別ランキング ベスト100」(2025年1月1日号発表)

  • 「雰囲気」「見所・レジャー&体験」「泉質」「郷土料理・ご当地グルメ」の各カテゴリ別ランキング・ベスト100を発表!

2024年度人気温泉旅館ホテル250選「投票理由別ランキング ベスト100」(2025年1月13日号発表)

  • 「料理」「接客」「温泉・浴場」「施設」「雰囲気」のベスト100軒