NTTコムウェア(東京都港区)は5月25日、インバウンド向けに開発中の情報配信システム「ささっとパンフ(仮称)」と、多言語でのコンテンツ同時配信ができる「スマホ画面同期配信システム(同)」の概要を発表した。
ささっとパンフは、スマートフォン(スマホ)を持つ観光客が観光地に整備されているWi—Fiに接続した際に、その観光地の電子パンフレットや地図などの情報が、自動的に手元のスマホに配信される仕組み。スマホ利用者側が特別な操作をする必要がなく、接続するだけで情報が得られる。
一旦取得した配信情報は、Wi—Fi未接続時(オフライン)でも利用できる。さらに、スマホの言語設定に応じて、多言語でのコンテンツ配信により、訪日外国人の満足度向上につながる。観光地側は、Wi—Fiとデジタルサイネージを組み合わせた効果的な観光PRが実現する。観光地だけではなく、商業施設や交通機関での活用も期待できる。
スマホ画面同期配信システムは、複数のスマホ・タブレット画面を同期させ、自動的に表示内容を一斉に切り替えることで、多人数に多言語でさまざまなコンテンツを配信するシステム。専用アプリのインストールや設置工事もいらない。
劇場で使用する場合、例えば、日本の伝統文化の解説を手元のスマホ画面に表示することで観劇のサポートに使える。テキストだけではなく、音声や画像も同期表示できる。逆に、端末のカメラ・スピーカー機能を制限することも可能だ。
劇場だけではなく、観光ガイドや各種教室・講座での使用も想定されている。
両システムとも、一部の自治体や能楽堂などで実証実験が行われている。同社ではさらに実験パートナーを増やしてデータを集め、実用化の実現を目指している。