オンライン旅行会社の国際会議「WIT JAPAN&NORTH ASIA2017(ウェブ・イン・トラベル 日本&北アジア2017)」が9日、東京・目黒のウェスティンホテル東京で開かれ、世界12カ国以上から約500人が参加した。楽天、リクルートライフスタイル、i.JTB、一休、リラックス、ブッキングドットコム、エクスペディア、シートリップ、アゴダ、途家(Tujia)などのOTAや日本航空、全日空、ピーチ航空といった航空会社も出席、登壇した。
「武士道精神の再想像」と題したセッションには、楽天の高野芳行トラベル事業長、リクルートライフスタイル(じゃらん)の宮本賢一郎執行役員、一休の榊淳社長、i.JTBの三島健執行役員が登壇。ベンチャーリパブリックの柴田啓社長が司会進行を務めた。
各社の最近のトピックについて問われた各氏は、「今年に入って、いくつかの都道府県で人泊数ベースの宿泊取扱シェア20%を確保することができた」(高野)、「15年から16年の予約取扱の伸び率が6%と伸び悩んだ」(宮本)、「ヤフー傘下入りした結果、サイトへの訪問者数が2倍に増えた」(榊)、「JTBの独自推計では年間700万泊が民泊に流れており、宿泊需要を取り込めきれなかった」(三島)と答えた。
次の質問である「フォーカスライト社の調査では、日本のOTAマーケットシェアは2011年が楽天30%、リクルート29%、i.JTBが11%、一休が3%、その他が27%だったが、2015年では、楽天20・7%、リクルート同、i.JTB8・8%、他49・8%となっている。ブッキングドットコム、エクスペディアなどのグローバルOTAがシェアを拡大していることが要因だと思うが、自社のビジネスに対してどれだけの危機感を持っているか0%から100%の数字で答えてほしい」では、「100%」(高野)、「50%」(宮本)、「一休は国内宿泊客を国内宿泊施設に紹介するビジネスなので、0%」(榊)、「2011年当時、私はエクスペディアジャパンの代表だったのだが、グローバルOTAのマーケティング力の強さを考えると100%。ただしJTBは800ものリアル店舗を有しており、今後のオム二チャネル展開を考えると50%」(三島)と回答が分かれた。
全体の予約のうちスマートフォン経由の予約の比率は何%なのか、その中でアプリからの予約は何%なのかという質問には、「ピーク時のスマホ予約比率は60%。うち約半分がアプリ経由」(高野)、「非公開」(宮本)、「スマホ予約比率は40~50%、そのうちアプリ経由は10~20%」(榊)、「スマホ経由は30~40%。アプリに関してはそもそもやっていない」(三島)と各氏が答えた。