日本ツーリズム産業団体連合会(TIJ、舩山龍二会長、183会員)は8日、東京のグランドプリンスホテル赤坂で第10回通常総会を開き、(1)休暇改革(2)ツーウェイツーリズム(3)広報・啓発(4)産学連携の──4事業の推進と組織強化に取り組み、観光立国実現に向け主体的な役割を発揮することを確認した。
総会には約90人が出席した。冒頭あいさつした舩山会長は、民主党を中心とする現政権について「観光を国の成長戦略と位置付け、観光立国推進本部を設置、外客誘致や休暇分散化などテーマ別にワーキングチームを発足し、観光立国実現へ意欲的な取り組みを見せている」と評価。
また「この10年間は日本の観光史上、もっとも飛躍した時代と位置付けられる」との認識を示した。その上で「課題は自らの産業・企業の業態変革であり、国際競争力の強化だ」と強調した。
総会には溝畑宏観光庁長官も出席した。
総会では役員の一部改選が行われ、副会長に大西賢・日本航空社長、理事に小川矩良・日本ホテル協会会長、佐々木隆之・JR西日本社長、新藤秀治・全国空港ビル協会会長を選任。また、事務局長には全日空国際旅行社有限公司副経理を務めた太田耕造氏が就いた。
今年度事業のうち、まず休暇改革事業では休暇取得促進にインセンティブを与える「バカンスチケット制度」や観光、旅行に関する税制優遇措置を検討する。また、国内観光旅行活性化部会を中心に、JATAと緊密に連携し、国内観光旅行活性化を目指すキャンペーンを立ち上げる。
ツーウェイツーリズム事業では、上海万博で訪日観光PRイベントを実施する。広報・啓発事業では「ツーリズムサミット2010」(12月)や第2回「観光立国教育全国大会」(8月)を開催するとともに、日本国際ツーリズム殿堂の運営について検討する。
産学連携事業では早大や一橋大、首都大東京での寄付講座を引き続き実施。また、TIJのデータブック(副読本)とJATAの「数字が語る旅行業」を統合し、新データブック「数字が語る旅行業&ツーリズム」(仮称)として共同発行する計画だ。