Trip.com、中国インバウンド加速 中国対外文化交流協会と提携


 トリップドットコムグループは11月22日、中国へのインバウンド観光の促進で、中国対外文化交流協会と3年間の覚書を交わした。

 

 調印式には、Trip.com Groupの共同創設者 ジェームズ・リャン(James Liang)会長とボー・スン(Bo Sun)CMO(最高マーケティング責任者)が出席した。

 

 中国対外文化交流協会(CICA)が立ち上げた「ニーハオ!チャイナ(Nihao China)」中国文化観光プロモーションは、世界各国から訪れる旅行者と中国との文化交流を促進し、友好を深めることを目的としたキャンペーン。

 

 CICAとTrip.com Groupは、「ニーハオ!チャイナ」プログラムを実施するための戦略的枠組みに関する合意書に署名した。このプログラムには、世界的なプロモーションビデオの撮影と制作および「ニーハオ!チャイナ」のデジタルコミュニケーションを活用したキャンペーンが含まれるほか、この枠組みを通じて、インバウンド旅行用のサービスプラットフォームの構築と、中国国際観光フェア(China International Tourism Fair)、中仏観光イヤー(Sino-French Tourism Year)、米中観光ハイレベル対話(China-US Tourism High-Level Dialogue)、世界観光開発会議(World Conference on Tourism Development)等のイベントで、CICAとTrip.com Groupが合意した内容の活動の企画や主催なども行う予定だ。

 

 9月27日には中国国務院が、ビザ・通関政策の最適化、中国国外の主要都市への路線拡大と輸送能力強化、インバウンド関連の旅行商品や外国人旅行者向けの情報サービスの改善など、観光を盛り上げるための複数の施策を発表ている。この強固な連携は、新たな旅行政策の下、中国のインバウンド観光の質の高い国際化をさらに促進していくものと期待されている。

 

 Trip.com GroupとCICAは今後、「ニーハオ!チャイナ」の公式パートナーとして当該プラットフォームを様々な市場で推進していく。また、魅力的なコンテンツのキュレーションを通じて関連する商品やサービスを紹介し、中国が歴史や文化遺産に富んだユニークで居心地の良い国としての地位を確立できるよう努めていくという。

 

さらにTrip.com Groupでは、中国ならではの魅力、体験、美しさを発信するため、国内の文化センターや観光局などとも連携していく方針だ。

 

Trip.com Groupは今後3年間、プラットフォーム技術、マーケティング、プロモーション、そして商品統合に投資し、中国のインバウンド観光の発展を促進していく。

ゲストに向けてスピーチするTrip.com Groupの共同創設者・取締役会長ジェームズ・リャン氏

 

 リャン会長は調印式で、「Trip.com Groupは、中国のインバウンド観光を促進するという目的の下、当社が持つテクノロジーの専門知識を活用してインバウンド観光客のアクセスの向上を目指す。また、リソースを統合して観光振興を促進すると同時に、世界中の旅行者を引き付けるために中国独自の観光の魅力をアピールしていく」と述べた。

 Trip.com Groupのデータによると、中国のインバウンド観光客の上位10カ国は、韓国、米国、日本、シンガポール、オーストラリア、マレーシア、カナダ、タイ、英国、ドイツで、2023年1~10月期の訪問者数は前年同期比で4桁の伸びを示しました。これはコロナ前の60%以上の水準に相当する。

 

 今年に入って中国が国境を再開したことを受け、Trip.com Groupのプラットフォームを経由した中国関連の予約数が順調に増えており、Trip.comのデータからも(香港、マカオ、台湾を除く)中国の予約数の大幅な増加が示されている。2023年10月の中国行きのフライト予約は前年同期から98%増え、9月と8月も同様にそれぞれ58%と89%拡大した。

 

 インバウンド観光客に人気の上位10都市(香港、マカオ、台湾を除く)は、深圳と上海に続き、広州、北京、珠海、杭州、仏山、廈門、中山、成都がランクインしました。興味深い点として、インバウンド観光客によるホテル予約の上位10軒中7軒は深圳で、2位と3位に上海のホテルが入っていることが挙げられます。

 

 Trip.comによると、中国への旅行需要は近い将来増加することが予想されます。これは、例えば中国政府が一部の国からの入国者に対するビザの申請プロセスを簡素化したり、入国時に記入が求められていた税関出入国健康申告を11月1日に廃止したりするなど、中国旅行を促進するために政府や業界が実施してきた対策の成果。Trip.comが調査したデータによると、中国旅行に関する世界的な検索数が第3四半期に大幅に改善し、第2四半期から40%近く増加している。

 

 Trip.comは最近、ホテル予約、旅のアドバイス、移動手段、支払い方法、人気観光地に関する知識などの旅行関連情報を集めた「China Travel Guide(中国旅行ガイド)」を立ち上げ、中国の魅力を求めて訪中する外国人旅行客の利便性向上を図っている。「China Travel Guide」は9月の開始以降、既に10万人を超える外国人旅行者の方々に利用されている。

 電子決済サービス業者もここ数カ月で決済の簡素化と円滑化に向けた施策を実施している。以前は、外国旅行者の電子決済プラットフォームへのアクセスは中国の銀行口座やカードを持っていることが条件だったが、現在は、外国人旅行者が自身のクレジットカードで中国の大手電子決済システムへのアクセスが可能となった。Trip.com Groupは、インバウンド観光プロセス全体を強化し、外国人旅行者の体験を向上させるために、関連業界とも連携していくという。

 

 Trip.com Groupは、「旅行には異なる文化を結びつけ、人々の理解を深める力があると強く信じており、中国がインバウンド観光のインフラと戦略を強化し、洗練させることで、世界中の旅行者にとってさらに魅力的な国になるという揺るぎない信念を持っている」と表明した。

 

 
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