第3種旅行業のワールドエアシステム(WAS、東京都大田区)は2月28日、ウェブサイト上で国際航空券の即時予約・購入と発券手続きが完結するシステムの運用を07年度中に開始すると発表した。「発券手続きまで自動的に完了する海外航空券販売サイトは初めて」(WAS)という。携帯サイトでの展開も視野に入れる。
利用者は、WASのサイトで格安航空券を含むすべての種類の国際航空券を即時予約、購入できる。クレジットカードで決済を行うとeチケットの発券手続きも自動的に完了する仕組み。eチケットとは有価証券である紙の航空券を発券せずに、航空会社のコンピューター上の予約記録と旅券による本人確認で搭乗できるもの。
WASによると「既存旅行会社や既存オンラインエージェントのサイトでは発券手続きが自動化されておらず、手作業でeチケットを発券して、その控えを利用者に発行するため時間がかかっている」という。
同社の新システムでは「自動販売機のような利便性を提供する。予約・購入した利用者はそのまま空港に行って、予約番号と旅券提示で搭乗券を受け取ることができる」。
海外旅行ダイナミックパッケージを販売しているグローバル・トラベル・オンライン(GTO)、楽天トラベル、スカイゲートの各社は航空予約システムに海外航空券ホールセラー、ワールドトラベルシステム(WTS)の「スカイレップ」を採用している。
新システムのスカイレップに対する優位性について同社は「スカイレップで格安航空券を予約、購入する場合、WTSの仕入れに拘束されてしまう。WASはホールセラーではなくリテーラーなので、複数の航空会社やホールセラーから最安値で仕入れ、販売することができる」と説明している。
予約システムの構築は日本システム開発(東京都新宿区)が担当する。新サイトのデザインや広告宣伝は、デジタルハリウッド・エンタテイメント(東京都千代田区)が行う。4月に一部のサービスを開始。07年度中に完全運用する。来年度に取扱人数2万人、売上10億円を予定する。2010年度には同60万人、同150億円を目指す。