今号では日帰りについて考えてみたい。
日帰りと一口に言っても、「団体昼食」「個人会食」「食事のみ」「客室使用+食事」「立ち寄り入浴」などさまざまな形態があるが、大事なことは、どのターゲットに向けて、どの項目を実施するのかを、きちんと意思決定することである。
というのも慢性的な人手不足で、昔のようにあれもこれもと手出しができない状況だからである。
昨今では、やはり「個人会食」をやめて、ある程度まとまった人数であれば、料理人とサービススタッフを配置しても、採算が合うと判断して、「団体昼食」のみ受け入れるという施設が増えてきているように見受けられる。半面、近くに都市部などの商圏を持つエリアの施設では、「個人会食」で、まだまだお客さまを呼び込めているところもある。
また、「個人会食」をやめても、「立ち寄り入浴」は人手がかからないので、実施しているという施設もある。立ち寄り入浴自体の売り上げももちろんのこと、売店などの館内売り上げアップも狙いの一つである。
いろいろなケースを紹介したが、自施設にとってのメリットデメリットを考えて、最適な形を考えてほしいと思う。もちろん日帰りをやめるというのも大事な意思決定である。
狙うべきターゲットと形態を定めたら、次に行うべきはPRである。
日帰りプランの造成や、HPでのコンテンツの制作や整理が必要となる。宿泊に比べると、日帰りのコンテンツの整理や見せ方はなおざりになっている感は否めない。もちろん宿泊がメインになるのではあるが、やると決めたらやれるべき施策は取らないと、中途半端に終わり、日帰り=お客さまが来ないというようなネガティブな印象のままになってしまうのはもったいない。
また、HPでのアピールだけでなく、OTAや体験型のポータルサイトなど、今は日帰りコンテンツを露出できる販路が多数存在しており、そちらにも掲載をして、露出を図るのも一考に値する。
比較的、中途半端なまま放置されている日帰りというコンテンツをこれから良い気候になり行楽シーズンへと移り変わる中で、見直してみるのも一つかと思う。
(アビリティコンサルタント・プライムコンセプト取締役 内藤英賢)