創作和食でチャレンジ
秀峰岩手山が望める岩手県・鶯宿温泉のホテル森の風鶯宿(阿部孝二社長)。温泉、日本最大級の本格的なガーデニング庭園「フラワー&ガーデン森の風」など館内での楽しみ方はさまざまだが、特に注目してほしいのが食事、創作和食だ。
遠藤雄一総料理長は、「限られた人ではなく、全てのお客さまの満足を求め、不可能にチャレンジします」と力を込める。目指すのは「一献懐石」だ。
季節ごとの食材を、繊細な味わいと美しい盛り付けで召し上がっていただく。岩手が育む海の幸や山の幸の上質な素材や、調理方法から器までこだわった料理人の技。「見た目にもおいしい御膳スタイルで、ゆっくりと味わう献立の数々を心ゆくまで味わってほしい」という。
この時期、「スタンダード」では本格フレンチと和食会席が融合した料理を提供。「黒毛和牛と杜仲茶ポーク 焼しゃぶしゃぶ食べ比べ」はきめ細かな柔らかい黒毛和牛と、くせのない上品な脂の杜仲茶ポークをさっとあぶった焼しゃぶしゃぶで。付き出しから最後の甘味まで、ワクワクしながら楽しめる。
総料理長渾身の「グレードアップ」料理もお勧めだ。
「非日常のホテルに合うのは本当にバイキングか」という疑問の末、夕食でのバイキングをやめた。阿部勝喜総支配人はいう。「バイキングを求めるお客さまはたくさんいらっしゃる。しかし、ニーズを集約するとどうしても寿司、ステーキ、天ぷら…というラインナップになってしまう。リピートしていただくほどに『次は何を食べさせてくれるんだろう』というワクワク感が薄れてしまう」と。
コンセプト「イーハトーヴの風を感じる非日常の空間」提供のため、食の面でも歩みを止めることはない。
▽ホテル森の風鶯宿は岩手県岩手郡雫石町鶯宿10の64の1。TEL019(695)3333。http://morinokaze.com/
「一献懐石」の創作和食
ホテルの外観