金沢で加賀屋の味とおもてなし
石川県・和倉温泉の加賀屋(小田與之彦社長)は明治39年創業。屋号には創業者の小田與吉郎氏が加賀・津幡の出身であり、天下に響く雄藩加賀百万石のように大きく飛躍したいとの願いを込めている。
加賀屋のおもてなしの心は、「いつもお客さまの満足を第一に考え、働いた」という先代女将の小田孝さん(故人)の精神から生まれた。小さな気配り、心配りを基本にした客室係のサービス。今はどこでも見られる習慣、女将たちによるあいさつまわりは、ここ加賀屋で始まったと言われる。
「小田孝はお客さまには『できません』とは言わないようにして、一人ひとりのお客さまと真剣勝負をするつもりで、サービスにあたった」(同館)。その心は今も受け継がれている。
北陸新幹線が2015年3月に開業し、首都圏から時間的にぐっと近くなって、にぎわう金沢。加賀屋グループの旅館として、金沢でも加賀屋流のおもてなしを提供し好評なのが、「料理旅館 金沢茶屋」だ。
金沢駅から徒歩3分と駅前にありながら、路地を通り少し奥まった隠れ家的場所に位置。「かなざ和をめしあがれ」をテーマに、加賀料理と石川の伝統工芸を楽しませる。
3月14日には金沢茶屋の別館が新装オープンした。建物は6階建てで、2階から5階まではデザインが異なる10の個室食事処を設置し、利用客に合わせて部屋を用意している。
個室食事処「寿海」は、加賀百万石の伝統を受け継ぐ群青壁を用いた上品な部屋。古き良き大正ロマンを感じさせるアンティークな部屋は「行雲」。「雅」は、能登路を走る観光列車「花嫁のれん」をイメージしている。
6階には特別室「竹園」を配置。客室は本館も合わせて18室となった。
▽加賀屋は石川県七尾市和倉町ヨ部80番地。TEL0767(62)1111。http://www.kagaya.co.jp/