底から湧き上がる「生」温泉
群馬県の水上温泉、源泉湯の宿松乃井(戸澤千秋社長)は、四つの自社源泉を有している。湯は弱アルカリ性のすべすべとした質感が特長。湯量は毎分458・1リットルと、その豊富さは水上随一を誇る。
源泉をできるかぎり外気に触れさせないよう、湯殿の底から直接湧き上がらせることで温泉の鮮度を保っている。この源泉かけ流しの温泉を、松乃井は「『生』温泉」と表現し、大切に守っている。
この生温泉を十分に堪能できる三つの露天風呂・大浴場を備える。
「月あかりの湯」は、常連客も多く、併設のナッピングルーム(サウナ)に本を持ち込み、思い思いの過ごし方を楽しむ人も多い。
「蛍あかりの湯」は、見え隠れする「蛍」がテーマ。1年中淡いあかりの暖かみを表現した。
「火あかりの湯」は、夜間に「たいまつ」をイメージした揺らめく火のような照明が周囲を照らす。
貸し切り露天風呂は二つ。「星空の湯」は、家族やカップルなど小グループが生温泉を満喫するのにぴったり。「カンテラの湯」は、照明をカンテラ風にして幻想的な雰囲気を醸す。
全ての風呂は「めぐり湯回廊」でつながり、館内を経由しなくても回廊を通ってさまざまな風呂に足を運ぶことができる。敷地内には、谷川岳からの地下水が6カ所の滝を作り、1万坪の日本庭園が水上の自然の美しさを表現している。
料理にもこだわった松乃井は、群馬県から「地産地消推奨の宿」の称号を得て、地元食材の魅力を追求し続けている。温泉と料理に心のこもったサービスが加わり、スタッフ一同「おもてなしの心」で日夜業務に当たっている。
▽群馬県利根郡みなかみ町湯原551。TEL0278(72)3200。http://www.matsunoi.com/