厚生労働省は4月25日、新型コロナウイルス感染症の影響を受ける中小企業に対する雇用調整助成金の特例措置をさらに拡充すると発表した。特別措置法に基づく都道府県の要請で休業するなどした中小企業で、従業員の解雇を行わないなど一定の要件を満たす事業主には、助成率を100%に引き上げる。特例措置の詳細は5月上旬に発表する予定。
全額助成の対象は、特措法に基づき都道府県が行う要請に協力して休業、営業時間の短縮を行っている事業主で、(1)労働者の休業に対して100%の休業手当てを支払っていること(2)上限額(1人1日当たり8330円)以上の休業手当てを支払っていること(支払い率60%以上である場合に限る)―のいずれかに該当すること。
休業要請などの条件を満たさない中小企業でも、解雇を行わずに雇用を維持し、賃金の60%を超えて休業手当てを支給する場合、60%を超える部分について助成率を100%にする。事業主が賃金の100%を支払っても、60%の時と企業側の負担が同額となるようにした。
今回発表された特例措置の拡充は4月8日以降の休業などにさかのぼって適用する予定。
雇用調整助成金は、事業主が従業員を一時休業させたり、教育訓練を行ったりして雇用を維持した場合に休業手当てや賃金の一部を助成する制度。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い雇用への影響が増す中で、特例措置が段階的に拡充されている。