経済産業省はこのほど、特定サービス産業動態統計調査の10月分を公表した。それによると、対個人サービス業では遊園地・テーマパーク、劇場・興行場、興行団の売り上げが前年同月比増加、映画館、ゴルフ場などが減少した。 遊園地・テーマパークの売り上げは前年同月比9・7%増の419億2900万円。これで8カ月連続で増加した。内訳は、入場料金・施設利用料金収入が11・7%増、食堂・売店売上高が7・8%増。入場者数は5・9%増加した。入場者ひとり当たりの売り上げは3・6%増加した。
温泉・観光地のホテル・旅館の経営指導に定評があるリョケン(本社静岡・木村臣男社長)は恒例の「旅館大学セミナー」(通算135回、今年度3回目)を12月12、13の両日、愛知県蒲郡温泉のホテル竹島に、約150人を集めて開いた。 この日のテーマは「厳しい経営環境にあって勝ち残るためには―旅館の進むべき方向性を提言」で、リゾート性と都市ホテルの機能を兼ね備え、幅広い客層に対応している同館の経営戦略を学んだ。 「和風レストラン」「エステルーム」「半露天風呂付客室」などの商品整備を実施。女性客、個人客の増加に伴い食事提供方法の見直しを図り、06年4月に寛ぎ、充実の新しい施設が誕生した。 同館の市川行雄社長(蒲郡竹島観光株式会社)は、初日の講演の中で「蒲郡は昨年3月、『観光交流立市宣言』を行い、『市民の市民による市民のための観光市育て』をテーマに市民の健康と観光、医療の観光ビジョンを推進し、またカジノの解禁に向けて、企画推進委員会を立ち上げた。地域の観光に力を尽くし、地元のお客さまを大切にし、新しい試みとしてお客さまにモニターになってもらい料理、施設の意見を聞き、時代の変化に対応して満足いただけるホテルを社員とともに目指していきたい」と強調した。 さらに桑原孝夫リョケン会長が「来年の旅館の経営指針」を発表した。それによると、19年を「自立喜働の時代」とし、「魅力ある経営者、将来性、公正な待遇、経営参画、能力開発などは好成績をあげている旅館の共通点になっている。また好業績をあげている企業は、独自の経営スタイルを持っている。そこには『商品の自立販売、差別化』『財務、収益性』『社員の自立』の3つが不可欠だ。今、お客さまのニーズが多様化、個性化し、この業界も変革期に入っている。厳しい時代でもあるが、積極的に身を投じ、チャンスでもあるので、新しい第一歩を踏み出してほしい」と結んだ(詳細は次号)。 2日目は、「19年経営指針」の重点課題と具体的な対策事例を「商品」「販売」「財務」「運営」の各部門ごとにリョケン研究員が解説した。厳しい現況の中、熱心に聞き入る参加者の姿が目立った。 来年度第1回セミナーは4月に山形県蔵王温泉「蔵王四季のホテル」で開催を予定。
全旅連保険を手掛ける全旅連事業サービス(東京・平河町、TEL03・3263・4429)はこのほど、JTBグループのJMCと提携し、JMCが運営するネットショップサイトへの参画を全旅連加盟施設に案内する業務を始めた。「旅館・ホテルにとって、名産品の販売ルートの多様化が図れ、収入増が期待できる」と、サイトへの多くの参画を呼び掛けている。 サイトの名称は「日本の旅情・浪漫の逸品」(略称=逸品サイト、http://www.ryojo-ippin.com)。この11月にスタートした。サイトでは旅館・ホテルが出品した”自慢の逸品”を紹介。消費者から注文を受けると、代金引換の宅配便で旅館・ホテルから商品を送る仕組み。 旅館・ホテルが支払うサイトへの参画料、システム使用料は無料。商品が売れた場合のみ、販売手数料として税込み販売価格の15%を支払う。 対象商品は旅館・ホテルが販売しているオリジナル商品、みやげ、食品、季節料理、特産品、工芸品など。商品価格は税込み3150円以上が目安。 全旅連事業サービスはまず、都道府県旅館組合の役員約2300軒に同サイトをDMで案内。既に多くの引き合いが来ているという。今後、約2万軒の全組合員に参画を呼び掛けたいとしている。 サイトは今後、料亭、みやげ店、ゴルフ場などにも参加を呼び掛け、「より多くのお客さまに知られるサイトを目指す」としている。。