帝国データバンクが全国企業を対象に実施した景気動向調査の12月分によると、同月の景気動向指数(景気DI=0~100、50が判断の分かれ目)は45・5となり、前月比0・1ポイント減だった。前月とほぼ横ばいだが、これで4カ月連続の悪化となった。06年ピークの3月からは2・4ポイント悪化。前月に続き06年の最低水準を更新し、帝国データバンクでは「足元経済が引き続き弱含んでいることが裏付けられた」(帝国データバンク)としている。 調査は全国2万221社を対象に実施した。有効回答企業は1万社で、回答率49・5%。 企業の規模別では、大企業48・0、中小企業44・7で、ともに4カ月連続で前月比悪化した。 業界別では不動産が55・1で、前月比0・8ポイント増。3カ月ぶりに増加に転じた。住宅ローン減税制度の縮小前の年末駆け込み需要などがあったためとみられる。 建設は39・0で、同0・2ポイント減。2カ月連続で悪化した。07年度政府予算案で公共事業費が06年度予算比3・5%削減される見通しとなったことや、「脱談合」の加速が影響しているとみられる。 小売りは39・4で、同1・2ポイント悪化。個人消費の回復遅れや暖冬の影響による自動車関連、繊維関連の景況感の悪化が影響したとみられる。 地域別では、東海が49・8で、同0・5ポイント増。3カ月ぶりに改善した。自動車関連メーカーを中心に景況感が改善した。 北海道は34・2で、同1・4ポイント悪化した。建設業界の景況感悪化や、降雪による経済停滞への懸念増幅があった。 東北は37・9で、同0・8ポイント減。北海道とともに大幅な悪化となった。 07年の見通しについて帝国データバンクは「企業業績はしばらく堅調を持続するとみられるが、実質賃金が下落する中、07年は所得税・住民税の定率減税が廃止され、年金保険料の引き下げも控えており、個人消費は引き続き低迷する公算が大きい。さらに規模間、業界間、地域間での格差に縮小がみられない状況では、当面、調整局面が続くのは避けられない」としている。
帝国データバンクが全国企業に行った「06年度内の再利上げに対する企業の意識調査」によると、年度内の再利上げについて「時期尚早」と回答した企業は1万社中6059社で、構成比は60・6%だった。 再利上げを行った場合、景気が腰折れするとの回答が48・5%と約半数を占めた。 「個人消費の動向をみて再利上げの時期を探る慎重さが必要」「一部の地域を除き、利上げに耐えられる力がない」との懸念が聞かれた。 半面、再利上げを「妥当」とする企業は16・1%、「遅すぎる」とする企業は2・1%あった。