長野県は、観光業の振興を県主体で推進するため、4月1日付で組織改正を行い、50人体制の「観光部」を新設する。現体制では「商工部産業政策課企画・観光係」が観光の主管部署で、人員は本庁と出先機関を含めて28人前後。組織を強化し、観光施策の総合的な展開を目指す。 観光部は2課体制。企画調整や計画策定、各種調査、許認可事務などにあたる「観光企画課」(職員数10人)と、観光宣伝や誘客促進、人材育成、国際観光などを推進する「観光振興課」(同15人)。 現地機関として、東京、名古屋、大阪の観光情報センターに職員10人を配置。県内10の地方事務所にも観光担当者を各1人置く。信州・長野県観光協会への派遣は5人。 長野県が実施している「観光地利用者統計調査」によると、県内観光地の延べ利用者数は、過去10年は9千万~1億人で推移してきたが、05年は2年連続の減少で8918万人。観光消費額も2年連続で下降。観光の活性化が課題となっている。 県総務部行政改革推進課では「自然や文化など豊富な観光資源を有効に活用し、県が主体となって観光産業の振興を図るため、観光部を新設し、すそ野の広い観光施策を明確かつ総合的に推進する」としている。
富山県商工連合会と立山町、上市町、大山町(現富山市)の3商工会は連携して、立山山ろくの魅力を全国に発信する目的で観光振興と特産品の販路拡大プロジェクトを始めた。地元の名所を巡る観光タクシーの運行や、インターネット上にホームページ(HP)の開設で3地域の観光スポットを紹介し、特産品も販売する。 プロジェクトの狙いは、年間百万人以上の観光客が訪れる立山、黒部アルペンルートだけでなく、立山連峰のふもと地域のブランド化を図りアピールするため。 同プロジェクトの観光振興策として進める観光タクシーは、立山、上市両町が運行する。全国有数の磨崖仏の不動明王を本尊とする大岩山日石寺(上市町)や、立山寺を巡る「剱岳山麓お寺めぐりコース」や、立山カルデラ砂防博物館と立山博物館を巡る「立山の自然と歴史コース」など冬季限定4コースを設定。HPでコースを紹介し、予約を受け付けている。また、特産品のネット販売は、大山町の「みょうが寿し」や立山町の天然水「美女の舞」などの約20商品があり、今後特産品の種類を増やしていく予定。 3商工会は、立山山ろくの認知度を全国的に高めるため販促活動も力を入れる。観光タクシーの利用者や同HPで販売している特産品2千円以上の購入者に限って、人気キャラクターのキティちゃんが修験道の格好をしたオリジナルキーホルダーとミニ観光冊子をプレゼントする。 また、東京・有楽町にある富山県アンテナショップ「いきいき富山館」で19日から25日まで開催している「立山連峰お取り寄せ逸品フェア」で立山山ろく商品2千円以上の購入者には期間中毎日先着30人にキティちゃんがプレゼントされる。
島根県は8日、大阪市北区のリーガロイヤルホテル大阪で、関西地区島根県観光情報説明会を開催した。関西地区の旅行会社や報道関係者など約300人が出席。説明会では、澄田信義・島根県知事が、世界遺産登録が見込まれる石見銀山遺跡や、3月10日開館の島根県立出雲古代博物館、松江開府400年祭事業などを中心に島根県の観光の魅力をアピールした。 プレゼンテーションでは、島根県立古代歴史博物館について施設の説明があったほか、上田正昭名誉館長が、同博物館誕生までの経緯やエピソードを語った。 石見銀山遺跡では、和田亮・太田市観光課長と篠原修・浜田市観光係長が受け入れ状況や観光コースについて紹介。遺跡を守りながらの観光振興について理解と協力を旅行会社に呼びかけた。松江開府400年祭事業は、同祭推進協議会の西尾俊也事務局長が町並み歩きを中心に、07年は「菓子」、08年が「食」、09年に「伝統」、10年には「物産」をそれぞれテーマにしたシンボルイベントを展開し、最終年の11年に開府大博覧祭を開催する計画を説明した。