楽天トラベルは7日、都内のホテルで、契約施設関係者など約600人を集めた「新春カンファレンス」を開き、今後携帯端末から登録部屋数などの施設情報の管理を可能にすることや、ローソンのマルチメディア端末「Loppi」での高速バス予約を2月中に始めることを発表した。Loppiを使った国内宿泊予約も始める構え。 三木谷浩史会長=写真=は基調講演で、インバウンド市場の重要性に触れ、今後インバウンド向けサービスの強化を図りたいと意欲を見せた。 山田善久社長は携帯端末(携帯電話など)を利用した昨年の予約総額が前年比約50%増であったことをあげ、携帯端末からの予約ページを、施設側が自由に編集できる機能を強化すると発表した。写真の掲載やページの構成を変えることで、施設ごとの独自色を出しやすくする。また新たに携帯端末から客室在庫や料金の登録・変更を可能にするシステムを導入すると話した。施設側に使いやすいシステムにし、登録室数を伸ばすことが狙い。いずれも開始時期は未定という。 Loppiでの国内宿泊予約開始の時期については「できるだけ早く開始したい」(山田社長)とするにとどめた。ただLoppiからの予約の場合、楽天スーパーポイントは付与されない。「ポイント付与を今後可能にするかは未定」(同)という。Loppiは全国のローソン約8千店の店頭に設置されている。今回のコンビニ販売への参入で、楽トラは新たな販売経路を得る。 2月末からは宿泊予約システムを動かすコンピュータープログラムへの入り口であるAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェイス)の公開も始める。APIを公開することで、個人のブログや一般企業のサイトから、直接楽トラを使った宿泊予約が可能になる。楽トラサイトへの入り口を増やし、利用者の拡大を狙う。 山田社長は「API公開は様々なリスクも伴うが、楽トラのシステムを利用しておもしろいWebサイトをどんどん作ってもらいたい」とも話した。
ANAセールスは15日、国内募集型企画旅行「ANAスカイホリデー」の07年度上期(4~9月)商品を発売した。団塊世代の取り込みを図るため従来の商品体系を見直し、新たに3つの旅のスタイルを提案した。これにより、前年度比8%増の115万人の取り扱いを目指す。 まず、「感動、案内人」をテーマした個人型ガイド付きの旅では「2人からのお客さまごとに1人の、地元をよく知るご当地ガイドを付ける」ことで、満足感を高める。設定数は全31コース。 宿泊施設にもこだわりを持つ団塊世代に向け、出発日、フライト、ホテルが選べるプラン「私らしく、一度は泊まりたい宿」を打ち出した。「風呂自慢」「名門老舗」「美食堪能」など特徴のある宿泊施設を部門別に95施設を紹介している。 3つ目は「ANA&CRUISE」で、大型高級客船「飛鳥II」や「にっぽん丸」のショートクルーズをANA便と組み合わせた。 方面別目標は、北海道21万3千人(10%増)、東北・北陸5万8千人(4%増)、関東・甲信越28万5千人(5%増)、関西・中四国・12万3千人(5%増)、九州・10万7千人(2%増)、沖縄19万4千人(5%増)。
クラブツーリズム(東京都新宿区、岡本邦夫社長)のバリアフリー旅行センターの06年度実績が、ツアー本数200本、取扱高約6億円となった。200本の内訳は受注型企画旅行が110本、募集型企画旅行が90本。「この分野ではトップシェア」(同社)という。 クラツーは12年前にバリアフリーツアーの取り扱いを開始。当初は年間100人だった参加者が、06年には約1万人になった。同旅行センターは、クラツー会員360万世帯のうち、障害者や要介護者、75歳以上の後期高齢者に向けた旅行を企画、催行している。
日本旅行はこのほど、宿泊客自身が客室と夕食、朝食を好みで選択、組み立てる泊食分離型のフリープラン「季(とき)の宿」を栃木県鬼怒川温泉で設定した。昨年稼働した国内新システムの特性を生かしたコンサルティング型の商品。国土交通省が実験的に推進している泊食分離の「宿泊産業活性化に資するモデル事業」にも呼応している。 鬼怒川温泉の6軒(あさや、鬼怒川ホテルニュー岡部、鬼怒川パークホテルズ、鬼怒川グランドホテル夢の季、鬼怒川温泉ホテル、鬼怒川グリーンパレス)が参画。 例えば、あさやの場合、客室は秀峰館和室(1室あたり1万1100円)、八番館和室(同1万4400円)、セラピールーム洋室(同1万7400円)のいずれか、夕食は和洋中ブッフェ(ひとり4800円)、和彩会席(同5800円)、京風懐石(同1万円)のいずれかを選ぶ。このほか、朝食、昼食をそれぞれ2千円で用意している。宿泊のみ、1泊朝食のみの利用も可能。 日旅では今後、顧客の要望を聞き、他の温泉地での商品化も検討するという。
ソフトウエア開発会社のカタログは9日、海外旅行プランをネット上で簡単に作成、共有できるサービス「トリプル」(http://tripl.to/)を始めた。利用料は無料。 海外個人旅行の旅行計画をネット上で自由に作成できる。作ったプランは、利用者どうしや特定の友人と共有が可能だ。利用者が地図上に観光地、お店などの口コミスポットを登録する機能も付けた。旅行記の登録、公開もできるようにした。 利用者層は20代から30代前半を想定。年間登録者数20万人を目指す。
JTBは3月1日をめどに、宿泊予約サイト「e-hotel」を発展的に転換し、ビジネス、レジャー両面の旅館・ホテル宿泊予約サイト「るるぶトラベル」(http://rurubu.travel)を新たに立ち上げる。検索機能の使いやすさを訴求し、旅行情報誌「るるぶ」の知名度を生かしてユーザーを呼び込みたい考えだ。専業他社に後れを取っている“場貸し型”宿泊販売のテコ入れを行う。 すっきりとしたトップページ画面で検索に特化した。地域から探す一般的な方法に加え、“売り”は、宿名や住所・地名、駅名のキーワードで絞り込み、表示された目的先エリアの地図から宿泊施設を探し出せる機能。出張利用では特に重要視されるロケーションが視覚的に確認できる。 定宿や候補の空室情報をすぐに取り出せる「Myクリップ機能」も備えた。最大6施設まで登録可能。モバイル連動にも対応し、現地や移動中でもサイト情報を閲覧できる。 契約施設は、旅館・民宿とホテルが各等分で計8千施設。るるぶトラベル(提携サイトを含む)の07年度取扱目標額は約320億円で、06年度の場貸し型販売160億円の倍増を狙う。宿泊手数料は基本契約8%を当面、覚書で6%にする。 販売はe-hotelの流れから当初はビジネス需要が中心だが、「ゆくゆくはレジャーと半々にする。観光性の強い『るるぶ』ブランドを最大限活用したい」(盛崎宏行JTB旅行事業本部宿泊戦略担当マネージャー)。 一方、JTBホームページを介した宿泊販売との両立を図るため、「JTB」ブランドは前面に出さない。また、JTBパブリッシングが運営する「るるぶドットコム」は旅行情報サイトとして存続する。