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旅館・ホテル 第2412号《2007年3月10日(土)発行》
四季リゾーツが宿泊施設11軒と提携
四季リゾーツは1日、新たに11軒の宿泊施設と提携した。「365日いつでも1泊朝食付きで5250円」をコンセプトに直営展開している泊食分離型の宿「四季倶楽部」の提携施設として販売する。それぞれ2室から5室程度の客室提供を受ける。手数料率は"予約配信料"の5%。
同社が直営する全15施設(169室)の客室稼働率は年間平均で約90%。リピート率は50%だ。予約希望の問い合わせは1日平均1千件を超える。
四季倶楽部の強みは、一般利用者とは別に300万人を抱える「パートナー団体構成員」。企業、健保組合、労働組合、公共団体職員会などが福利厚生の手段として四季倶楽部と契約している。パートナー団体構成員には優先予約権を提供。同構成員の利用は全体の35%を占める。
同社は企業保養所の経営受託を01年に開始。05年12月から既存旅館との提携も始めた。提携施設はこれで52軒になった。直営も含めた施設総数は34都府県、67施設。同社の山中直樹社長は「早期に全都道府県、100施設体制をめざす」と話している。
今回提携した11軒は次の通り。
まかど温泉富士屋ホテル(青森県、全73室)、駒ケ岳温泉(秋田県、全9室)、ホテル鹿角ゆとり館(同、全92室)、旅館上会津屋(栃木県、全18室)、ファーマーズホテルBios北軽井沢(群馬県、全12室)、四季の湯温泉ヘリテイジリゾート(埼玉県、全250室)、いこいの村ヘリテイジ美の山(埼玉県、全28室)、鴨川ヒルズリゾートホテル(千葉県、全65室)、ホテル積翠園(岐阜県、全12室)、ホテルマーレ南千里(大阪府、全131室)、足摺国際ホテル(高知県、全67室)。
手話語り部が民宿を経営
小渕さん
和歌山県田辺市本宮町で、難聴者向けに手話語り部をしている小渕静子さんは本宮町にある湯の峯温泉でこのほど湯治用の客室も備えた民宿「わだま」を始めた。
湯の峯温泉は、本宮参拝者の湯垢離場として知られるいで湯。皮膚病、胃腸病、リウマチに効くと言われ湯治として利用する人が多い。
小渕さんは手話語り部の活動の傍ら、難聴者も安心して宿泊できる民宿の女将もしている。部屋数全4室中、長期滞在が可能な部屋を1室設け、湯治用として利用されている。3月11日から1カ月間40代の男性が湯治のため長期滞在する予定だという。
小渕さんは、所属している「本宮町語り部の会」のメンバーと2人で5年前、手話ガイド活動を始めた。手話を始めるきっかけとなったのは、地元の行事に来ていた難聴者と手話通訳者が手話で会話をしている様子を見たことだった。手話を覚えて役立ちたいという思いが手話語り部活動に結びついた。
小渕さんは、「現在、手話語り部が2人しかいないので育成に力を入れたい。そして、家庭的な温もりで多くの参詣客を『わだま』で迎えたい」と意気込みを語った。
手話語り部、民宿わだまについての問い合わせ先は、和歌山県観光交流課(TEL073・441・2785)。
ロイヤルホテル、全国で改装計画
ロイヤルホテル(本社大阪市北区、佃孝之社長)は、森トラスト(本社東京都港区、森章社長)と昨年4月に資本業務提携を結んだことを機に、全国のリーガロイヤルホテルで改装計画を進める。
同社は06年度から「第二創業期」とし、今後3年間で総額100億円をかけて改装を行う。旗艦ホテルであるリーガロイヤルホテル(大阪市北区、原篤総支配人)では、「日本の自然・日本の美」をデザインテーマに、約33年ぶりにメインロビー全体を改装する。また、高級チョコレート専門ブティックをフロントカウンター横に設けるなど新しいアイディアを取り入れる。ロビーは6月下旬に完成予定。
リーガロイヤルホテル京都では客室、玄関、婚礼施設の一部の改装、リーガロイヤルホテル広島ではレストランの新設、リーガロイヤルホテル新居浜ではエグゼクティブフロアーの改装などを行う予定。
NHKが事業所の受信料体系見直し案
日本放送協会(NHK)は2月27日、旅館・ホテル、病院などの事業所の受信料体系について見直し案を発表した。テレビ設置数の適正な申告をもとに全数分を支払うことを前提に、衛星契約、地上契約ともに、敷地内の2契約目からの受信料を「半額程度」にする内容。この見直し案を基本に検討し、承認手続きなどを経て、08年度中の実施を目指している。受信契約のあり方については、旅館団体などが検討課題に挙げており、今後の動きが注目される。
NHKは、06~08年度経営計画に沿って、受信料の「公平負担の徹底」を図るためとして、事業所の受信料体系の見直しに着手。改定の最終案は、一般世帯を含む受信料体系全体の検討の中で今年9月末までにまとめるとしている。
日本観光旅館連盟、国際観光旅館連盟、全国旅館生活衛生同業組合連合会なども改定の動向を注視し、検討課題ととらえている。国観連では、06年度総会(昨年6月)で、支部からの提出議題として、合理的な料金体系を要望するため団体の統一見解を求める声が上がり、総務委員会の検討事項になっている。
現行の受信料体系では、複数のテレビを設置している事業所は、部屋などテレビの設置場所ごとに全数分を契約する。一方で、会計検査院が昨年、128のホテルを対象にした調査の中で、ホテルグループ間、地域(地方放送局)間で契約率(客室数に対する契約件数の比率)が異なり、その差も大きいと試算するなど、現状には課題も指摘されている。
放送法の改正に絡むNHK受信料の支払い義務化などが世論の注目を集める中、旅館・ホテルの受信料は、経営コストとして宿泊者の負担につながるテーマでもあり、一般消費者の理解を含めて、旅館・ホテルの間で「公平負担」のあり方が議論を呼びそうだ。
国観連が中国語簡体字ページを刷新
国際観光旅館連盟(佐藤義正会長、会員約1400軒)は1日、外国語ウェブサイトの中国語簡体字ページをリニューアルした。昨年8月以降、英語、韓国語、中国語繁体字と外国語ページの改修を進め、今回で4言語すべての外国語ページが新しくなった。
外国語ウェブサイトでは、旅館リスト、旅館の選び方や料金システム、各種サービスなどを40項目にわたり豊富な画像を交えて紹介。女将や仲居の役割などを説明しているほか、"お出迎え"から"お見送り"までを体験できる「日本旅館滞在シミュレーション」のコーナーも設けている。
国観連では「国際観光振興機構(JNTO)のウェブサイトともリンクしており、アクセス数が伸びている。総合旅館情報サイトとして、外国人に日本旅館の情報、魅力を発信していきたい」と話している。
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