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トラベル 第2412号《2007年3月10日(土)発行》  

KNT決算、減収減益に

 近畿日本ツーリスト(KNT)が2月27日発表した06年12月期の連結決算は、営業収益が前期比2.1%減の827億5200万円、営業利益は同28.1%減の14億900万円、経常利益が同21・8%減の20億5800万円、当期純利益は同35.5%減の12億9500万円で、減収減益の厳しい決算となった。

 国内旅行については、メイトは団塊世代を対象とした提案型商品「しばし京都人」など関西方面の商品や、旭山動物園、世界遺産・知床を扱った北海道方面の商品などが好調だったが、夏のファミリー商品をはじめとした宿泊企画商品が低調だったのが響いた。

 07年度については営業収益875億円(前期比6%増)、経常利益28億円(同36%増)、当期純利益は横ばいの13億円を見込んでいる。

営業利益は2ケタ増加 KNT単体
 KNTの単体決算は営業収益が前期比1.8%減の668億700万円となったものの、営業利益は同13.1%増の3億5千万円と2ケタの増加になった。経常利益は同2%減の13億900万円、当期純利益は同16.1%減の12億8千万円だった。

 07年度業績予想は営業収益713億円、経常利益18億円、当期純利益9億円。



JTBのシニアサマーカレッジ、今夏は7大学に拡大

 JTBは、国立大学法人、地元自治体と共同で開催する「シニアサマーカレッジ」を、2回目の今夏は2大学から7大学へと拡大する。学習意欲の高い全国のシニアを対象に夏季休業中の大学施設で、交流しながら本格的に学習する教育プログラムを実施するもので、生涯学習と地域学習の両方の特徴を持つ。

 初回の弘前大学と山口大学に、今夏は岩手大学、信州大学、岐阜大学、香川大学、高知大学の5大学を加える。

 講義は各大学が独自の研究成果や地域の特色を生かしたラインナップを用意。

 例えば、弘前大学では「三内丸山遺跡」、信州大学では「川中島の合戦」、高知大学では「四万十川とクジラ」など。大学の教員が講義の7割を、地元自治体と地元企業が3割を担当する。

 8~9月の2週間で全20~24講義を行う。募集人員は各大学とも30人以上。受講料は13万円。

 弘前大学と山口大学で開かれた前回は、51~80歳の受講生64人がキャンパスライフを満喫した。県外の受講生が8割以上を占めており、団塊世代の定年退職を背景にシニアサマーカレッジでの国内ロングステイ需要の拡大も期待される。

 08年度は12大学に拡大する予定。



楽天トラベルが3APIを一般に公開

 楽天は2月28日、総合旅行サイト「楽天トラベル」のサイト機能の一部を外部のプログラムが利用できるようにした。「宿泊施設情報」「空室検索」「地区コード」の3つのAPI(アプリケーション・プログラム・インターフェイス)を一般公開することで実現した。宿泊サイトでは初めて、空室状況がリアルタイムで分かる空室検索のAPIを公開した。

 今回のAPIの公開で、外部企業や個人利用者が、約2万1500軒の宿泊施設情報、空室検索などを使って、独自のサイトをつくることが可能になった。ブログ(日記風ホームページ)でも利用できる。楽トラへのアクセス増大と販売の拡大を狙う。

 また「キーワード検索」「施設検索」などのAPIも順次公開していく方針だ。

 楽トラのAPIを使ったサービスの提供を現在予定しているのは、関心空間、はてなの2社。いずれも楽天市場が1月17日に公開したAPIを利用して、楽天商品の評判検索など独自のサービスを行っている。



WAS、国際航空券の手続きをサイト上で完結へ

 第3種旅行業のワールドエアシステム(WAS、東京都大田区)は2月28日、ウェブサイト上で国際航空券の即時予約・購入と発券手続きが完結するシステムの運用を07年度中に開始すると発表した。「発券手続きまで自動的に完了する海外航空券販売サイトは初めて」(WAS)という。携帯サイトでの展開も視野に入れる。

 利用者は、WASのサイトで格安航空券を含むすべての種類の国際航空券を即時予約、購入できる。クレジットカードで決済を行うとeチケットの発券手続きも自動的に完了する仕組み。eチケットとは有価証券である紙の航空券を発券せずに、航空会社のコンピューター上の予約記録と旅券による本人確認で搭乗できるもの。

 WASによると「既存旅行会社や既存オンラインエージェントのサイトでは発券手続きが自動化されておらず、手作業でeチケットを発券して、その控えを利用者に発行するため時間がかかっている」という。
同社の新システムでは「自動販売機のような利便性を提供する。予約・購入した利用者はそのまま空港に行って、予約番号と旅券提示で搭乗券を受け取ることができる」。

 海外旅行ダイナミックパッケージを販売しているグローバル・トラベル・オンライン(GTO)、楽天トラベル、スカイゲートの各社は航空予約システムに海外航空券ホールセラー、ワールドトラベルシステム(WTS)の「スカイレップ」を採用している。

 新システムのスカイレップに対する優位性について同社は「スカイレップで格安航空券を予約、購入する場合、WTSの仕入れに拘束されてしまう。WASはホールセラーではなくリテーラーなので、複数の航空会社やホールセラーから最安値で仕入れ、販売することができる」と説明している。

 予約システムの構築は日本システム開発(東京都新宿区)が担当する。新サイトのデザインや広告宣伝は、デジタルハリウッド・エンタテイメント(東京都千代田区)が行う。4月に一部のサービスを開始。07年度中に完全運用する。来年度に取扱人数2万人、売上10億円を予定する。2010年度には同60万人、同150億円を目指す。


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