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観光行政 第2413号《2007年3月17日(土)発行》  

第3種旅行業、5月から募集型企画旅行可能に
 国土交通省は12日、第3種旅行業者に募集型企画旅行の実施を認める旅行業法の省令改正を公布した。施行日は5月12日。消費者の保護を図りつつ、地域の観光資源に熟知した地元の中小観光事業者による旅行商品の創出を促進する。

 旅行業法施行規則の第1条の2を改正し、第3種旅行業務の範囲を変更した。第3種に認められる募集型企画旅行の催行区域は、事業者の営業所が所在する市町村(東京都特別区含む)と、これに隣接する市町村(同)で形成する区域内に設定されていることが条件。

 旅行代金は一定の比率以内で設定される申込金を除き、旅行開始日より前の収受は行うことができない。

 第3種旅行業者の営業保証金、基準資産額は、現行の通り。


国交省、19日に福岡市で「長期家族旅行の推進に関するシンポジウム」開催
 国土交通省は19日、「長期家族旅行の推進に関するシンポジウム─国内旅行需要喚起と休暇のあり方を考える」を福岡市の博多全日空ホテルで開催する。

 基調講演は、山内弘隆・一橋大学大学院商学研究科長・商学部長が行う。この他にも、川勝平太・国際日本文化研究センター教授、田中浩二・九州観光推進機構会長が講演する。

 パネルディスカッションは、「日本人の休暇と旅文化について」をテーマに、コーディネーターを溝越明・西日本新聞社論説委員会副委員長が務める。パネリストは、フリーアナウンサー・青山佳世、サントリー次世代研究所部長・佐藤友美子、国際ジャーナリスト・エッセイストのドラ・トーザン、バンダイ社外取締役・松永真理、国交省総合観光政策審議官・柴田耕介の各氏。

 参加申し込みの問い合わせは、社会経済生産性本部・余暇総研「休暇シンポジウム」担当(TEL03・3409・1125)まで。


国交省、26日に「地域いきいき観光まちづくり大会」
 国土交通省は26日、観光ルネサンス事業の成果を発表する「地域いきいき観光まちづくり大会」を東京都港区の三田共用会議所で開催する。

 観光地づくりのヒントにしてもらおうと、05年度にスタートした観光ルネサンス事業を導入した17地域・団体が、取り組みや事業の成果を披露する。

 申し込み、問い合わせは、ICSコンベンションデザイン(TEL03・3219・3589)まで。


稲取温泉観光協会事務局長の渡邊さんが国交省を表敬訪問
抱負を語る渡邊さん(中央)

 稲取温泉観光協会(静岡県東伊豆町)の事務局長に全国公募で選ばれた渡邊法子さんが8日、4月の就任を前に、国土交通省の望月義夫副大臣を表敬訪問した。渡邊さんは「稲取にはまだ活用されていない観光資源がたくさんある。歴史や文化をもう一度見直し、何をどう発信するのか、まちの人たちを主軸に、活性化への取り組みをうまくコーディネートしたい」と意気込みを語った。

 渡邊さんは、NPO法人・全国まちづくりサポートセンター理事を務めるなど、まちづくり活動に実績がある。京都の丹後半島では、経済産業省のサービス産業創出支援事業のもとで観光振興に取り組んだ。

 同協会の事務局長職には、全国から1281人の応募があったが、渡邊さんは3次にわたる審査を突破。全国公募というユニークな取り組みに、テレビや新聞も注目、選考結果はニュースとして大きく取り上げられた。

 望月副大臣は「プレッシャーも、苦労もあると思うが、地元の方とは違う視点を大切にしてほしい。国交省も観光分野の人材育成や外部人材の活用を推進しているところ。私たちも応援するので、がんばってください」と激励した。

 表敬訪問には、稲取温泉観光協会の加藤昌利会長(ホテル銀水荘)、稲取温泉旅館組合の赤尾恵太郎組合長(赤尾ホテル)も同席した。

 渡邊さんの選考理由について、望月副大臣から質問された加藤会長は「大手企業で活躍した方などの応募も多かったが、予算を持たずに1つひとつ積み上げてまちづくりに取り組んできた渡邊さんの経験を評価した。女性の視点もこれからの稲取の活性化には欠かせない」と語った。

 渡邊さんは現役大学院生で中国哲学を専攻していることから、中国からのインバウンド誘致などへも期待がふくらむ。

 会談の最後に、観光地活性化の参考にしてほしいと、望月副大臣が、国交省が作成した観光地づくりの事例集を手渡した。渡邊さんは「稲取も成功事例として掲載されるようにがんばります。副大臣もぜひ稲取においで下さい」と笑顔をみせていた。


「カジノ基本法案、来年の通常国会に提出」と野田聖子議員
カジノを体験する野田議員とオリエンタルラジオら


 自民党の観光特別委員会カジノエンターテイメント小委員長の野田聖子衆院議員は6日、日本カジノスクールが都内で主催したイベント「カジノinお台場」に出席し、「カジノ基本法案を議員立法で来年の通常国会には提出したい」と話し、カジノ合法化に向けての準備が進んでいることを明らかにした。

 また「カジノ関連収入でマカオがラスベガスを抜き、シンガポールも大規模カジノを開発中だ。もし中国が日本より先にカジノを解禁したら手遅れになる」と焦燥感も見せた。

 自民党「国際観光産業としてカジノを考える議員連盟」会長の鳩山邦夫衆院議員や民主党娯楽産業健全育成研究会会長の古賀一成衆院議員らカジノ合法化を推進する国会議員も多数出席。超党派で合法化を進めていくことを誓い合った。

 会場には人気お笑いコンビ「オリエンタルラジオ」も駆けつけ、野田議員と模擬カジノ体験を楽しむ場面も見られた。



安倍首相夫人ら出席し、「観光立国推進全国大会」盛大に開催
首相夫人

 観光立国推進基本法の制定を記念した「観光立国推進全国大会」が13日、東京都千代田区の九段会館ホールで開催された。主催は国土交通省。観光関連の団体や事業者、経済界、自治体などを中心に約700人が参加。来賓として安倍昭恵首相夫人が出席した。観光に携わる各層から意見発表があり、観光立国の実現に向けて、官民が積極的な役割を果たすことを求めた大会宣言を採択した。パネルディスカッションでは、「観光庁」の設置を求める提言もあった。

 国会審議のため欠席した冬柴鐵三国土交通・観光立国担当相のメッセージを柴田耕介・総合観光政策審議官が代読、「今年1月に施行された観光立国推進基本法は、各界の声に支えられ、衆参両院ともに全会一致で成立した。恵まれた観光資源にさらに磨きをかけ、内外の旅行者に楽しんでもらえる『住んでよし、訪れてよし』の観光立国を実現するための法律だ。21世紀の日本の発展のために、観光立国の推進に向けてともにがんばろう」と訴えかけた。

 続いてあいさつに立った安倍首相夫人は「海外に日本の良さをアピールするように心がけていますが、改めて考えるのは、日本の魅力とは何かということ。日本の魅力、あるいは自分の住んでいる地域の魅力、それを1人ひとりが考えることがとても大切。その魅力を多くの人に伝えたいという思いが、観光客を呼ぶ大きな力になる」と語った。

 大会宣言は、日本経済団体連合会の江頭邦雄副会長が提案、「観光立国の実現のため、国、地方公共団体、観光事業者そして私たち1人ひとりがそれぞれの立場で積極的な役割を果たすことを宣言する」として採択された。

 観光立国推進基本法について藤野公孝・国土交通大臣政務官が説明。各層からの意見発表では、愛知和男衆院議員(自民党)、伴野豊衆院議員(民主党)、太田房江大阪府知事、全国観光地所在町村協議会の福井良盟会長(奈良県吉野町長)、日本ツーリズム産業団体連合会の舩山龍二会長、阿寒観光協会まちづくり推進機構の大西雅之副理事長、立教大学観光学部学生の穴井祥恵さんが登壇した。

 パネルディスカッションは、コーディネーターをタレントの岡部まりさんが務めた。パネリストは、有馬頼底・臨済宗相国寺派管長(京都仏教会理事長)、大浜長照・石垣市長、異文化コミュニケーターのマリ・クリスティーヌさん、柴田総合観光政策審議官の4人。

 大浜市長は「観光地のバリアフリー化など取り組むべき課題はあるが、日本は、自然や文化といった豊かな観光資源、安心して旅行できる環境を有し、最も観光に適した国だと言える。観光立国を推し進めるには、観光庁、観光省の設置が必要だ」と訴えた。

 有馬管長は京都の貴重な景観を守る、仏教界、商工会、市などの取り組みを条例化への動きを交えて紹介。クリスティーヌさんは、外部の智恵や技術を上手く連携させたタイの村々の特産品づくり運動から観光地づくりのヒントを提言した。

 柴田審議官は「観光地づくりでも、景観づくりでもそうだが、観光はすそ野の広い産業であり、多くの関係者をいかにコーディネートしていくかが重要なテーマ。その中で『観光庁』も1つの課題。観光立国実現への持続的な取り組みを支える態勢のあり方を考えていきたい」と語った。

 基調講演では、観光立国推進戦略会議メンバーでもある加賀見俊夫・オリエンタルランド会長が「観光立国実現に向けた諸提言」と題し、人材育成の重要性などを訴えた。

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