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観光行政 第2414号《2007年3月24日(土)発行》
温泉所在都市協議会、温泉排水問題で環境省に要望書提出
環境省による、7月からの温泉排水に関する規制強化に温泉事業者の危機感が強まっているが、全国市長会内の「温泉所在都市協議会」(87市で構成)はこのほど、新基準の適用延期を求める要望書を同省に提出した。
同協議会の副会長を務める上野晃登別市長、大幸甚加賀市長、中村時広松山市長、浜田博別府市長が連名で出した。
水質汚濁防止法は01年6月に、事業所の排水規制物質にホウ素とフッ素を追加。温泉を利用する旅館業については同年7月の施行日から6年間の猶予期間が設けられ、暫定排水基準が適用されていたが、今年6月末でその猶予期間が終了する。
要望書は、排水処理機(除去装置)設置には多額の費用負担が必要で、暫定基準が撤廃されると温泉旅館業は廃業の危機に立たされると指摘。その上で、(1)安定的な処理機の技術が開発され、装置の低廉化が図られるまでの間、暫定基準の適用を延長する(2)処理機の低廉化のための技術開発や設置促進に向け、財政支援を行う──を求めた。
国交省、ジェットスターの日本乗り入れを許可
国土交通省は14日、ジェットスターエアーウェイズリミテッド(オーストラリア)の外国人国際航空運送事業の経営を許可した。これにより、日本に乗り入れている外国航空事業者は78社になる。
25日から事業を開始する。日本~オーストラリア(シドニー~関西~ブリスベン~シドニー)間で、A330―200型機を毎日運航する。
ジェットスターはレジャー客を中心とした市場展開を図るため、カンタス航空が100%出資し設立した子会社。
船旅の魅力をアピール──国交省が「風景100選」公募
国土交通省は船旅の魅力向上に向け、「船から見る風景100選」を公募する。これを受け、旅客船業界は大手旅行情報誌とタイアップし本を出版、旅行関係者への情報発信に活用する。「船旅の魅力が広く知られていない」(同省内航課)状況を改善、誘客に結びつけるのが狙い。
100選は、船から見るお薦めの風景(ビューポイント)を説明および写真で募る。応募期間は前期(4月1日~8月31日)と後期(12月1日~08年5月5日)を設定しそれぞれ50カ所を選ぶ。
ベストショット賞、ベストコメント賞として各1点選び、5万円を贈る。詳細は日本旅客船協会ホームページ(
http://fune100.jp
)。
一方、旅客船業界は15日、るるぶから「日本すみずみ船の旅」を発行した。内容は(1)絶景航路を旅する(2)歴史航路を旅する など。A4版、150円。日本旅客船協会広報用として3万部作り、市販用として1万部を全国の大手書店で販売する。
国交省懇談会、国内旅行の需要喚起へ「休暇のあり方」提案
国土交通省の「国内旅行需要喚起のための休暇のあり方懇談会」(座長・山内弘隆一橋大商学部長)は16日、(1)休暇取得の方策(2)国内旅行誘導策──など4つの論点を軸に検討を行い、様々なアイデアを「提案」として整理した中間報告をとりまとめた。企業の社会的貢献(CSR)に着目した休暇100選の選定・顕彰、学校に対しては地域の独自性を生かした休業時期の分散化などの考え方を示すとともに、国内観光の魅力向上と旅文化の発信のため「旅の達人キャンペーン」や「人生に一度は行こう美しい日本遺産プロジェクト」などの実施を勧めている。
中間報告を受け、同省はシンポジウムなどを通じて関係者や国民の意見を広く求める。最終報告書は6月をめどにまとめる方針だ。
労働者1人あたりの年次有給休暇(年休)の取得率は低下傾向にある。この改善が大きな課題。中間報告は企業に休暇取得の義務を課すのには慎重な姿勢をとっているが、年休の取得促進は欠かせないとの判断のもと、施策の1つとしてCSRに着目した。
具体的には、CSRの一環として、企業にとってゆかりのある地域(創業の地、創業者の出身地など)や業種的に見て関連のある地域、施設、社会的に話題となっている場所(熊野古道など景観保全を必要とする世界遺産の保全)に対する支援活動のための休暇取得の取り組みを選定し、「CSR休暇100選」(仮称)として顕彰するもの。
学校の休暇制度についても言及し、(1)2学期制の導入など学校休業の多様化・柔軟化(2)学校、家庭が一体となった臨海・林間学校の普及促進(3)地域の独自性を生かした休業時期の分散化──などを提案。
一方で、休暇が増えても国内旅行の促進につながるとは限らない。旅に出ようと思う動機付けが必要となる。中間報告では、観光魅力の向上と旅文化の発信として8項目を挙げた。
まず、各世代のオピニオンリーダー的著名人を「旅の達人」として選び、テレビ番組や雑誌などのメディアを通じて新たな旅の楽しみ方を紹介する。
また、日本遺産プロジェクトについては世界遺産に匹敵する歴史建築や日本ブランド、祭り、伝統行事など「日本人自らが日本文化を知るためのプロジェクト」と位置づけた。
個人旅行の増加とともに、旅のテーマ性が求められていることを踏まえ、(1)企業とタイアップした産業観光(2)医療機関、スポーツクラブ、食品メーカーとタイアップしたヘルスツーリズム(3)カルチャーセンター、文化教室とタイアップした文化観光──など、テーマやニーズにあった新しい旅行プログラムの促進も掲げた。
「国内旅行には金がかかる」という指摘もあることから、コスト低減にも言及。宿泊関係については、欧米並みの室料金制、泊食分離、連泊割引制の導入など「旅行者の選択肢の拡大に合わせた取り組みを推進する」よう求めるとともに、企業の保養所、貸し別荘、民宿などの活用も図り、宿泊施設の種類、料金の多様化を提案している。
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