冬柴鐵三国土交通・観光立国担当相は3月17日、広州市内のホテルで邵琪偉国家旅游局長と会談した。冬柴大臣は、検討課題となっている少人数グループへの査証(ビザ)発給をはじめ、訪日観光の制約要件解消への取り組みなどを報告。邵局長は日本側の調整に期待したほか、「4月の温家宝首相の訪日を観光交流拡大の契機にしたい」と述べた。 中国からの訪日観光査証では、一定規模の団体に制限されている発給要件を少人数グループにも認めようと関係省庁が検討を進めている。冬柴大臣は、実現に向けた調整に意欲を示す一方、失踪者対策などの課題があることも指摘した。 これに対し邵局長は「査証発給の要件が緩和されれば、訪日客はさらに増えるはず。失踪者対策は、中国側も十分に配慮している。両国が協力して課題の解決にあたりたい」と語った
日中観光交流年の閉幕式が3月16日、中国・広州市であり、式典や記念歌舞演劇祭が開催された。日本からは冬柴鐵三国土交通・観光立国担当相をはじめ観光関係者約250人、中国側は邵琪偉国家旅游局長をはじめ政府関係者などが出席、双方で約800人が参加した。06年の日中相互交流人口は前年比13%増の456万人、両国政府はこの実績を交流年の成果として強調。07年の日中国交正常化35周年、日中文化・スポーツ交流年をふまえ、交流人口500万人の達成に向けてさらなる取り組み、連携強化を確認した。 日本側の参加者は、冬柴大臣のほか、吉田雅治・在広州日本国総領事、洞駿・国交省顧問、柴田耕介・国交省総合観光政策審議官、中村稔・国際観光振興機構理事長、梅田春実・日本旅行業協会理事長、山本芳孝・全国旅行業協会会長代行のほか、旅行会社や航空会社のトップなど。 歓迎式典は広州市内のホテルで開かれた。挨拶で邵局長は「昨年は、相互訪問や政府間の協力態勢、中日韓観光担当大臣会合などを実現し、中日観光交流を推進することができた。さらに重要なのは、これを起点に中日国交正常化35周年の今年に新たな交流のページを開くことにある。計画されているさまざまな交流イベントを協力して進め、ともに観光業を発展させよう」と語った。 冬柴大臣は「今回は閉幕式というより、国交正常化35周年という佳節の開幕を記念した行事。日中の関係者が一堂に会したことをうれしく思う。日本は今秋、2万人規模の訪中団を計画している。交流人口500万人の実現は十分に可能だ。関係者の協力をお願いしたい」と述べた。 07年の日中交流人口を500万人以上とする目標は、昨年11月の日中首脳会談で合意したもの。昨年、中国からの訪日客は、前年比約24%増の81万人と過去最高を記録。国交正常化35周年の今年は、大規模な相互交流事業が計画されている。 また、閉幕式では、中国の観光業に貢献が大きかったとして中国観光金賞がJTBグループに贈られ、邵局長からJTBの佐々木隆社長にメダルなどが手渡された。 同夜には、観光交流年閉幕を記念した歌舞演劇祭が、広州市内の中山紀念堂で開かれた。歌や踊り、雑技などが披露され、地元客を含めて約3千人の観衆を集めた。