経済産業省は産業遺産を魅力ある新しい観光資源として活用、地域活性化につなげるため、「近代産業遺産群」として認定する方針を決めた。今月下旬から、自治体など地域の関係者を対象に候補地を公募する。 同省は産業遺産活用委員会(座長・西村幸夫東大教授)を設置。10日に初会合を開き、認定制度創設に向けた基本方針を固めた。認定の対象とするのは「幕末から戦前にかけ日本の近代化に貢献した建造物や機器、製品など」(地域経済産業政策課)。 関連する複数の産業遺産を結び付けることでストーリー仕立てにし、周遊コースとして観光客に提示できるようにするのが特徴。イメージとして、(1)官営八幡製鉄所とこれを支えた九州炭鉱遺産群(2)貿易立国の原点としての横浜などにおける近代化産業遺産群──などを挙げている。 同省は4月下旬に同省ホームページ(HP)で産業遺産候補の公募を開始。専門家らに意見を聞いた上で、9月にも産業遺産群を決める予定。遺産群ごとに認定証を発行し、その価値をHPなどで紹介するとともに、10月にはシンポジウムなどを通して全国的な普及を目指す。
安倍晋三首相は11日、来日した中国の温家宝首相と会談した。羽田空港~虹橋空港(上海)間に定期的な航空旅客チャーター便の開設を目指すことで合意したが、便数や時期は明文化されなかった。 人的往来の拡大につながる羽田~虹橋間のチャーター便開設については、安倍首相が昨年10月訪中した際にも、温首相との間で意見が一致している。事務レベルでも交渉が続いているが、虹橋空港が国内専用であることなどから実現には調整が必要とされる。 13日の会見で冬柴鐵三国土交通・観光立国担当相は「便数や時期が合意に盛り込まれなかったことから分かるように、中国側の調整が難しいようだ。日中国交正常化35周年の今年に何とか調整してほしいと考えている」とコメントした。また、会談後に出された「日中共同プレス発表」には、35周年に合わせ、日本から直行便が就航する中国19都市に2万人規模の訪問団を派遣するなどの交流計画を日中が共同で実施することも明記された。