財団法人日本交通公社がこのほど明らかにした宿泊施設のリピーターに関するデータ分析によると、宿泊者数に占めるリピーターの比率は「10%以上30%未満」が最も多く、全体の約4割を占めていた。リピーター比率が高い施設では客室稼働率が高いことも判明。リピーターの確保は客室稼働率を高める効果があることが実証された。 調査は4、5月にかけて実施された。リピーターの比率は「10%以上30%未満」が37.7%となり最多で、以下、22.2%の「10%未満」、15.6%の「30%以上50%未満」、3.3%の「50%以上」という結果。「分からない」という回答も21.2%と比較的大きい。 旅館では、リピーター比率の高い施設の割合は小さく、「10%未満」が46.1%と半数近くに達しているのに対し、「30%以上50%未満」は10.2%だった。一方、ホテルでは、「10%未満」は15.2%と小さく、「10以上30%未満」が52.2%と過半数を、「30%以上50%未満」も27.0%を占めている。 施設の規模別に調べると、旅館とホテルともに小規模施設のリピーター比率が高かった。一方で、旅館の中大規模施設ではリピーターの多いところが少なく、ホテルの小規模施設では「10%未満」が最も小さいという傾向が見られた。 また、リピーター比率が高い施設では宿泊単価は低くなる傾向も分かった。これは、ホテルのリピーターには低単価のビジネス利用者が多いということが影響していると推察され、旅館だけを取り上げるとリピーター比率の高い施設では宿泊単価も高かった。
シニア層の観光業界への就労やスキルアップ支援を行うNPOシニアマイスターネットワーク(作古貞義理事長=流通科学大学名誉教授)は7月21日、東京・文京区の文化シヤッター・BXホールでセミナー「美しい国日本の観光を考える」を開く。同NPOの創立1周年記念イベント。国土交通省観光事業課の花角英世課長が「観光政策と課題」と題して講演。「観光業界シニア層の利活用」をテーマにシンポジウムも行う。 シンポジウムは村尾成文(国際観光施設協会会長)、小原健史(和多屋別荘社長)、江口恒明(観光経済新聞社社長)の各氏らが参加。ほかに、大和証券SMBCプリンシパル・インベストメントの會田英正部長が「ホスピタリティ・ビジネス宛投資への取り組み」と題して講演する。 参加費5千円。問い合わせは事務局 TEL03・5844・3518。