鹿児島県は今年度、着地型旅行の普及を促進する「よかとこ体験プログラムづくり」モデル事業と、観光客の受け入れ態勢を整備する「よかとこ案内人」育成事業をそれぞれ新規に実施する。両事業ともに、県内の観光協会やNPO法人などから、事業の実施団体を公募で選定し支援する。民間団体の自主的な取り組みや、民間ならではの斬新なアイデアを活用することで“観光かごしま”の活性化を図る。 よかとこ体験プログラムづくりモデル事業は、「物見遊山」的な旅行とは異なる、旅行先の自然や歴史、生活文化などを深く知ることをテーマにした着地型旅行のプログラムを造成するのが目的。モデルとなるような先駆的、創造的な取り組みに補助金を交付して民間の活動を支援する。 支援する事業の具体例としては、着地型プログラムに関する(1)商品造成(2)体験モニターツアーの実施(3)広報パンフレットの作成(4)旅行会社などへのセールス活動──などを挙げている。 よかとこ案内人育成事業は、4年後の九州新幹線全線開業をにらみ、県内外からの観光客を迎え入れるため、地域の受け入れ態勢づくり、人材づくりにつながる企画案を民間団体から広く募集する。 募集するのは、(1)地域の観光資源を案内する観光ボランティアガイドや語り部の組織化(2)観光ボランティアガイドや語り部を養成するための研修プログラムづくり(3)観光客のニーズに対応したワンストップサービス態勢の構築──の視点に立った新たな事業提案。企画案が採用された団体の事業費は、県が委託金として補助する。 各事業に充てる県の予算はそれぞれ300万円。両事業ともに、実施団体の応募は6月29日に締め切る。事業期間は08年3月31日までとなっている。
JR東日本東京支社は16日から20日まで、東京のJR上野駅構内で東北6県の宣伝イベント「第6回東北旅メッセ2007」を開いた。7日に発足した東北観光推進機構と、東北6県の共催。期間中、各県の夏祭りや郷土芸能を披露、観光パネルを展示するなどして、「夏の東北の魅力」をPRした。 16日のオープニングには、盛岡さんさ踊り、秋田竿燈まつり、山形花笠踊りなど6県の夏祭りが次々と登場。各県のミスもイベントに花を添え、来場者を楽しませた。会場には6県の食と温泉をテーマにしたパネルや、ミニねぶた、竿燈など祭りの道具も展示。場内を夏の東北一色に染めた。 青森、岩手、秋田の北東北3県では7月1日から3カ月間「北東北デスティネーションキャンペーン」が開催される。
山形県は12〜16日、都内百貨店で「山形県の観光と物産展」を開いた。県内67社が出展したほか、観光PRとして「最上川恋歌」を歌う演歌歌手の音羽しのぶさんのミニコンサート&トークショーも開かれた。 物産展は今年で51回目。収穫の季節を迎えたサクランボのほか、人気の高い牛肉弁当やこんにゃく、地酒などが販売され、多くの買い物客でにぎわった。 物産展で観光PRの一環として、音羽さんが起用されたのは、「最上川恋歌」が山形県観光物産協会と山形県戸沢村の推薦曲となっていることによるもの。最上川をイメージした衣装を着た音羽さんは「最上川恋歌」などを熱唱した。 音羽さんの応援に訪れていた、山形県かみのやま温泉・日本の宿古窯の女将、佐藤洋詩恵さんが急きょステージに上がり応援のメッセージを送るなど、会場は大いに盛り上がった。 「最上川恋歌」は3月7日に発売。音羽さんは「私の歌が山形の観光振興の一助になれば」と意気込みを語った。
鳥取県は、同県北栄町が主産地の「大栄西瓜」が今年栽培100周年を迎えることを記念し、スイカに関連するさまざまなイベントを行う。これに先立ち14日、同県のPRキャラバンが東京都の観光経済新聞社を訪問、大栄西瓜と関連イベントを紹介した。 鳥取県は全国第5位のスイカの生産地。西日本では熊本県に次ぐ生産高を誇るが、同じ鳥取名産でも梨に比べると知名度は低い。そこで同県は100周年の今年、主産地の北栄町を中心として「すいか畑ウオーク」などのイベントを開催、スイカの知名度向上を図っている。 7月1日に開催される「第20回北栄町すいか・ながいも健康マラソン」では、大会ポスターやゼッケンに100年記念のロゴを入れるほか、8月にはおいしくスイカを食べている顔「スイ顔」の写真コンテストなども行う。 昨年8月から「とっとり観光親善大使」を務める会社員の森本里美さんは、「大栄西瓜は大きい上に甘くて、みずみずしいところが売り。今回のPRキャラバンやイベントを通して、首都圏のたくさんの人に知ってほしい」と話した。
南都銀行(奈良市)と奈良大学は15日、産学連携について協定を締結した。同行は「奈良の恵まれた観光資源を生かした連携事業を積極的に推進し、地域経済の活性化を図る」と話している。 同行はこれまで、同志社大など3校と協定締結しているが、技術開発やものづくりが中心。奈良大との締結は「観光・文化・まちづくりという分野を切り口にした新たな連携」(同行)。なお、奈良大が金融機関と協定締結するのは初めて。 奈良大が持っている歴史・文化財研究のノウハウを生かしたセミナー・コンサルティングなど観光振興にかかる企画の立案、同行のネットワークを活用した取引先(宿泊・飲食業者など)の紹介など、相互の強みを生かした施策を展開する。