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観光行政 第2425号《2007年6月23日(土)発行》  

国交省、コンベンション法改正へ

 国土交通省は、国際会議の開催・誘致の拡大に向けて、「国際会議等の誘致の促進及び開催の円滑化等による国際観光の振興に関する法律」(コンベンション法)の一部改正を検討している。民間への助成措置を含めた支援策を盛り込む考え。来年の通常国会への提出を目指す。同時に、開催・誘致に対する支援措置を来年度の予算要求につなげる方針だ。

 柴田耕介・総合観光政策審議官は、5月の定例会見で「抜本的に態勢を強化しないと、開催件数の5割増は実現できない。法改正で誘致・開催支援の枠組みを構築する必要がある。法改正で対応する部分と、予算措置で対応する部分、その仕分けは今後詰めていきたい」と説明した。

 現在、国は誘致活動への助成などを制度化していない。国際観光振興機構(JNTO)が、情報提供や海外宣伝、開催にかかわる寄付金の募集などのサポート事業を実施しているが、限定的な支援にとどまっている。



TIJ総会、新規事業に「組織拡大」
舩山会長
舩山会長


 日本ツーリズム産業団体連合会(TIJ)は11日、都内のホテルで通常総会を開き、休暇改革など従来の4事業に加え、新たに組織拡大を今年度主要事業に加えることを決めた。任期満了に伴う役員改選では、舩山龍二会長と4副会長を再選するとともに、佐々木隆理事(JTB社長)が常任理事に昇格した。

 また、新任理事として間宮忠敏・JNTO理事長、岡眞則・全国空港ビル協会副会長、後藤高志・西武ホールディングス社長、堀内光一郎・富士急行社長、金井耿・日本旅行社長、鷹城勲・日本空港ビルデング社長の就任をあわせて承認。

 今年度事業のうち、休暇改革では「秋休みキャンペーン2007」を9月1日から11月末まで実施するとともに、(1)新たな休日の設定の検討(2)年間ベースでの端境期の需要掘り起こしと平準化を目指す新キャンペーンの検討、などに取り組む。

 広報・啓蒙については「ツーリズムサミット2007」を12月4日、国土交通省、日本経団連の後援で都内で開く予定。また、(1)教育現場で旅の意義や楽しさなどを教える「旅育」(2)市民講座やサークルなどの講師を派遣する「出前たび講座」──などを実施する一方、TIJ内に講師バンクを設け、派遣の仕組みを構築する。

 TIJは一橋大や早大と連携し、学生のツーリズム産業に対する理解促進に努めているが、首都大学東京から08年度に寄付講座開設の要請があったことから「産学連携委員会で開設の可否を検討する」とした。

 訪日ツーリズム事業では「東京部会」の活動活性化を掲げ、特に商業部門については近く設立されるNPO「秋葉原観光推進協会」の支援や秋葉原新発見ツアーの円滑な遂行を掲げた。

 今回、新たに加えた組織拡大事業では、年間を通じた会員入会の促進などとともに、観光関係団体会長連絡会議の事務局運営を通じて、「観光関係団体との連携強化、共同事業展開の可能性を探る」ことを盛り込んだ。



国交省、香港観光親善大使にフィオナさん任命
任命状を手にするフィオナさん(左)
任命状を手にするフィオナさん(左)


 国土交通省は、ビジット・ジャパン・キャンペーン(VJC)の香港観光親善大使に、女優、歌手として活躍する香港のフィオナ・シッさんを任命した。冬柴鐵三国土交通・観光立国担当相が18日、大臣室でフィオナさんに任命状を手渡した。

 冬柴大臣は「東京だけでなく、地方の魅力をもっと知ってほしい。美しい景色や温泉、食文化などを香港の方に広めてもらいたい」と依頼。フィオナさんは日本語で「親善大使に選ばれて光栄です。がんばります」と笑顔をみせていた。

 香港からの訪日客数は昨年、前年比17.9%増の35万2千人に上っている。



政府、国際会議の開催・誘致へ「国際交流拡大プログラム」まとめる

 政府は15日、「国際会議の開催・誘致推進による国際交流拡大プログラム」をまとめた。11年に主要な国際会議の開催件数を05年比5割増の252件とするためのアクションプラン。開催・誘致を国家戦略に位置づけ、官民を挙げて取り組む。具体的施策には、誘致活動経費の民間への助成などを盛り込んだ。

 開催件数を5割増とし、アジア最大の開催国を目指す目標は、安倍晋三首相が所信表明演説で示した。国際会議の開催・誘致を通じて国際社会での日本の地位向上を図り、国際交流を拡大、観光との組み合わせで地域活性化につなげる。

 政府は5月30日、省庁を横断した局長級会合を開き、同プログラムを決定した。今月15日の閣僚懇談会では、安倍首相がプログラムに沿った開催・誘致拡大への取り組みを大臣らに指示した。

 目標の252件を達成するには、毎年7.0%ずつ開催件数を増加させる必要がある。主な施策には、(1)開催・誘致活動を具体化するための基本戦略策定(2)一元的なコンサルティング窓口の設置(国土交通省国際観光課内の国際会議主催・誘致推進室が担当)(3)誘致活動に対する支援策(4)開催・受け入れ支援策──などを挙げた。

 誘致活動に対する具体的な支援策では、首相、官房長官、大臣などが招請状を発出し、トップセールスで誘致をサポートするほか、民間が主体となる誘致活動への経費支援、国が主催する会議への予算上の措置などを講じる。

 国際会議の開催件数はUIA(国際団体連合)によると、2000年には、日本が237件でアジア首位の世界13位、次いで中国が189件で14位だった。しかし、05年には中国が216件で世界11位、日本は168件の17位に後退し、韓国、シンガポールにも追い抜かれた。

 アジア諸国が国際会議などの開催を主要産業に位置づけ、国を挙げて誘致に動いているのに対し、日本は、国としての戦略や支援策の整備が立ち遅れている。複数都市の開催立候補による国内競合や、開催・誘致に関する人材、ノウハウの不足も課題となっている。


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