千葉県の旅館3団体(千葉県旅館ホテル生活衛生同業組合、日本観光旅館連盟千葉支部、国際観光旅館連盟関東甲信越支部千葉地区会)を束ねる新組織「千葉県旅館ホテル組合」が21日に発足した。従来の3団体は存続するが、事業と予算を一本化し、業界活性化と社会的地位の向上に向けた事業を強力に推進する。3団体の統合組織の設立は新潟県、長野県に次いで3県目。理事長には千葉県旅館ホテル生活衛生同業組合の平野勝之理事長(ホテル喜楽館)が就任した。 同日、千葉市のホテルグリーンタワー千葉で3団体の総会に併せて新組織の設立総会を開き、運営規約と今年度事業計画、予算案を審議、承認した。引き続き行われた新団体設立と千葉県旅館ホテル生活衛生同業組合創立50周年の祝賀会で平野理事長は「旅館業界を取り巻く環境は厳しい。消費者の動向の変化に対応する必要がある。今回の統合を契機に、役員、会員挙げて、業界と地域の発展に寄与してまいりたい」とあいさつした。 全旅連本部から佐藤信幸会長の代理で出席した潘桂華副会長は「旅館3団体の統合は全旅連でも悲願だ。千葉県の努力に敬意を表する」など、日観連、国観連の統合が延期になる中、中央の情勢を交えてあいさつした。 今年度は、全旅連、日観連、国観連各本部の事業計画の趣旨に沿い、事業を推進するほか、組合組織の拡充・活性化などに努める。 旅館3団体の統合組織は、新潟県が03年、長野県が06年にそれぞれ実現。千葉県の旅館業界では03年に3団体統合の決意表明を行い、4年間にわたり新組織の方向性や会費のあり方を検討してきた。
日本の宿を守る会(会長=久保富雄・群馬県谷川温泉旅館たにがわ・別邸仙寿庵、66会員)は24日、静岡県熱海市のホテルニューさがみやで、創立25周年の記念式典を開いた。同会のファン約50人を含む、関係者など約100人が出席。作曲家の神津善行氏による基調講演やパネルディスカッション、出席したファンへのプレゼント抽選会などが行われた。 式典では初めに久保会長があいさつし、「25周年を迎えられたのは、会のファンのお客さまや関係者のご支援と、会員同士の連携のたまもの。今後も日本情緒の保持に尽力したい」と感謝の意を表した。 続いて予定されていた三笠宮寛仁親王による講演「日本人はどうあるべきか」は殿下のご病気により急遽、殿下と親交の深い作曲家の神津善行氏が行った。神津氏は伝統文化の保持について音楽と絡めながら話し、「人も考え方も急速に変わる時代。古き良きものを守るにはしがらみに入り込まず、心を広く持って時には変化を受け入れることも重要」と話した。また「人の上に立つことは諭すこと」とも話し、「諭す時には低い声で、最後に高い声で押さえるのが効果的」と音楽家らしいアドバイスも行った。 パネルディスカッション「日本文化の再発見」では、外務省関西担当大使の天江喜七郎氏、在大阪・神戸米国総領事のダニエル・R・ラッセル氏、山形県銀山温泉・藤屋女将の藤ジニー氏、久保会長をパネリストに、日本人や日本文化の良さ、日本の宿に期待することについて議論された。中でも外国人客への対応については、天江氏から海外のホテルチェーンとの提携による日本旅館の知名度向上、藤氏から絵記号中心で色分けされた案内表示の採用、ラッセル氏から外国人客向け「日本旅館でのマナーガイド」を漫画で作成する案などが提案され、参加者は普段聞けない貴重な意見に、熱心に耳を傾けていた。
日本の宿を守る会は25日、ホテルニューさがみやで07年度の通常総会を開いた。33会員が出席。8年間会長を務めた久保富雄氏に代わり、新会長には長野県山田温泉・藤井荘の藤沢秀悟氏が選出された。また副会長は従来の2人を3人に増やすこととなった。 冒頭あいさつした久保会長は「25周年に盛大な式典の開催という1つの結果を出せたことは会員それぞれの力によるもの。しかし各事業には課題もたくさんある。さらなる発展に向け、新たな仕組みづくりを進めなければならない」と会員に奮起を求めた。新会長に決まった藤沢氏は「新たな気持ちで、会の発展に尽力したい」と抱負を述べた。 副会長は次の通り(順不同・敬称略) 小口憲太朗(福島県磐梯熱海温泉・四季彩一力)▽星野寛治(静岡県熱海温泉・ホテルニューさがみや)▽永井隆幸(石川県山代温泉・あらや滔々庵)
日本旅館国際女将会(会員46人、事務局=日本ホテル教育センター)は21日、都内のホテルで06年度年次総会を開き役員を改選、小渕祥子氏(冨士屋)を新会長に選出した。吉田美喜会長(ホテル百万石)は2年間の任期満了に伴い退任し、新たに副会長に就いた。 新役員体制は次の通り(敬称略)。 【名誉会長】小口潔子(四季彩一力)【会長】小渕祥子(冨士屋)【副会長】吉田美喜(ホテル百万石)、須賀賀子(滝乃家)、矢口委子(岬館)、松本美代(坐漁荘)【理事】磯田悠子(ホテル松島大観荘)、榎本眞規子(三河屋旅館)、太田清子(箱根吟遊)、岡部瑞穂(ホテルニュー塩原)、村田知世(五浦観光ホテル)、平野栄子(平野屋)、松本富子(紅葉館)、岡崎純子(深山荘高見屋)、吉田房子(伊古奈)、若松佐代子(新つた)【幹事】荒木紀子(長生館)、長坂正恵(下呂観光ホテルしょうげつ)
京都市の下京旅館組合(佐野喜一郎組合長)は12日、京都駅前地下街ポルタで「消費税完納推進の宿」と「e─TAX利用推進の宿」の宣言式を開いた。「e─TAX利用推進宣言」は、全国の宿泊業界で初めて。 e─TAXはインターネットを利用して国税の申告、納税ができるシステム。普及により行政手続の効率化、納税者の利便性の向上が図れる。 佐野組合長は宣言のなかで「消費税はお客さまからお預かりした税であり、お客さまの信頼にこたえるために、期限内に完納することは当然の義務。e─TAXの普及拡大を図ることは『電子政府』の実現と『納税道義の高揚』につながる」と述べた。 平成15年の消費税法改正で課税事業者免税点の適用上限が3千万円から1千万円に引き下げられたことにより、消費税の課税事業者数は大幅に増加している。 本田昭吉大阪国税局徴収部長は「消費税滞納の未然防止と滞納圧縮に積極的に取り組んでいるが、達成には皆さんの理解と協力が必要。今回の宣言が行われたことは大変意義深い」とあいさつした。 宣言式の後は通行客に宣言のマークが入ったティッシュペーパーを配り、街頭PRを行った。