総務省はこのほど、個人経営の企業の実態を把握する「個人企業経済調査」(構造編)の、平成18年度分の結果を公表した。それによると、個人経営の宿泊業・飲食店の1事業所あたり年間売上高は1031万7千円、年間営業利益は178万6千円だった。前年に比べ、売上高は15.6%、営業利益は7.6%、それぞれ増加した。売上高、営業利益が前年を上回るのは2年ぶり。 ほかの産業をみると、製造業が宿泊業・飲食店と同様、売上高、営業利益ともに前年を上回った。卸売・小売業とサービス業は売上高が前年を上回ったものの、営業利益は減少した。 宿泊業・飲食店の1事業所あたり年間設備投資額は33万9千円で、前年を9.0%上回った。設備投資率(売上高に対する設備投資額の割合)は3.3%で、前年を0.2ポイント下回った。 宿泊業・飲食店の1事業所あたり長期借入金は306万1千円。前年を21.4%上回った。 事業主の年齢は、宿泊業・飲食店で60歳以上が48.4%を占めた。以下、50〜59歳33.9%、40〜49歳13.4%、40歳未満4.3%──の順。後継者がいるとした宿泊業・飲食店は19.8%にとどまったが、前年に比べ2.6ポイント上昇した。 事業でパソコンを使用している宿泊業・飲食店は16.3%。前年に比べ1.2ポイント上昇した。インタネットに接続しているパソコンを使う事業所割合は13.5%で、同1.1ポイント上昇。 事業経営上の問題点(複数回答)は、宿泊業・飲食店で「需要の停滞(売上の停滞・減少)」が76.1%を占め、最も多かった。以下、「原材料価格・仕入価格の上昇」48.1%、「建物・設備の狭小・老朽化」37.5%、「大手企業・同業者との競争の激化」34.1%──の順。前年との比較では、「後継者難」(5.3ポイント増の23.6%)、「従業員の確保難・人材不足」(3.6ポイント増の10.7%)が高い伸び率を示した。
経済産業省がこのほど公表した、今年5月の第3次産業活動指数(季節調整済、2000年=100)は110.2で、前月比0.1%低下した。前月を下回るのは今年3月以来。業種別では飲食店・宿泊業、情報通信業、電気・ガス・熱供給・水道業などが低下、学習支援業、金融・保険業、卸売・小売業などが上昇した。 飲食店・宿泊業は111.7で、前月比0.7%低下。このうち宿泊業は101.7で同1.5%低下した。宿泊業のうち、旅館は88.0、ホテルは123.0で、前月比0.8%、2.5%、それぞれ低下した。 このほか旅行業は96.6で同3.1%低下、公園・遊園地は115.6で同8.1%低下、国内航空旅客運送業は102.3で同2.3%上昇、鉄道旅客輸送業は102.2で同2.9%減、バス業は85.4で同2.1%低下──など。